1月5日放送の「タイプライターズ〜物書きの世界〜」(フジテレビ)で乃木坂46の高山一実がゲスト出演。自身の著書を紹介する中で「フィクションとアイドルってすごく相性がいい」と制作秘話を語った。
又吉直樹、加藤シゲアキ、中村文則、羽田圭介らレギュラー陣が今年注目する作家を紹介する中で、羽田がイチ押しする物書きとして高山が登場。高山の処女作「トラペジウム」を取り上げた。
羽田は「小説を最初に書くってなったら、わりと小説らしさを求めてもうちょっと分かりやすい話を書くと思うんですよ。でも最初の2〜3ページすごく読みづらいんですよ。なぜかっていうと作者が作品世界でやりたいことがもう強固に作られていて」と解説、「だからわりと最初から書きたいことが強く立ち上がっている小説」と紹介した。
中村は「文章って年齢に比例するんですよやっぱり。年齢ならではの文章ってやっぱりあって。高山さんすごくお若いので、確かに若々しい文章があるんですけど、でもその中にたくさん本を読んでないと出てこない表現がところどころ出てくる」と「アイドルが云々ていうよりは書くべくして書いた本」と評した。
羽田が特に印象に残った描写を紹介し「『角膜レベルの変態』ってなんか、この表現、僕好きで。高山さんなんかいじわるな目線が出てるなって思って。アイドルらしからぬ素晴らしい表現」とコメント。
同じアイドル、小説家として活動する加藤は「そういう表現ちょっと勇気がいるじゃないですか、自分の置かれた立場からすると」と質問すると、高山は「ちょっと踏み込んでか書かないと小説にならないなって思ったので、むしろこれを読んでファンの方がどう思うかなっていうのは正直考えてなくて」と告白。「フィクションとアイドルってすごく相性がいいのかなって思っていて、委ねられるじゃないですか。読者の方に。だからこそなんでも書けるなって思って、なげちゃいましたね」と創作の背景を述べた。
又吉から「加藤さんもお気持ちわかるんじゃないですか?」と振られると「わかりますね。僕、怖かったなっていう記憶はすごいありますけど。怖かったですね。もう叩かれるじゃんって思ってましたよ」と加藤。「どうせ叩かれるから好き勝手やろうという気持ちでした」と当時の心境を吐露。
高山は執筆を終えるまで加藤の作品はほとんど読めなかったという。「アイドルをされていながらの作品ていうのを、同じ土俵に立てる気がしなくて」とプレッシャーに感じていたという。また、加藤の作品について「キャッチーだけど挑戦的な物語を書かれているなと感じていて、学歴もあるし…学歴コンプレックスを感じていて」と胸中を吐露。
羽田が「加藤さんって芸能の仕事も、小説の仕事も先輩だから…」とまとめると加藤は「先輩風吹かしていいですか?(笑)」「がんばれよ」と高山の背中を叩いて笑いを誘った。
今後について訊かれると高山は「武器がないと思っています」といい、羽田は「書く事がなくなってから本当の小説家って言いますからね」、中村も「アイドルっていう立場はすごくいいので、書く上で。それは武器だと思います」とアドバイス。
芸人であり作家である又吉も「芸人の小説、例えば100個書けたらむちゃくちゃおもしろいと思います」と自身の経験を重ねた。アドバイスを受けて高山は「今日がきっかけの日になる気がしました。スタート地点に運ばれた気がしました」とコメントした。
Twitterでは「かずみんが小説家として登場していて嬉しい」「アイドルと小説の相性がいいという話は腑に落ちた」などの声が寄せられていた。
「タイプライターズ〜物書きの世界〜」(BSフジ)毎月最終金曜日23時から放送。(地上波は季刊放送予定)