“異次元俳優”小野健斗「みんなが主演に見える舞台を作りたい!」

2019/01/14 09:00 配信

芸能一般 インタビュー

2019年の“初笑い”


――仕事初めが、「園園〜そのその〜」のお稽古だったとうかがいました。お稽古後に皆さんで食事に行かれているそうですが、もう打ち解けているのでしょうか?

(脚本・演出の)私オムさんもそうですが、出演者にも何人か、共演経験のある人がいて。そうでない人もみんなお酒を飲むのが好きですし、良い雰囲気をつくれていると思いますね。

もともと、僕は気を使われやすいタイプの人間なので…(笑)。威圧しているつもりはないんですけど、なんでだろうなぁ(笑)。自己主張は年々、強くなっているのかなとは思います。自分より後輩の人たちがどんどん入ってきて、「若手」ですけど「若手」とは言われなくなってきていますし。なので、雰囲気づくりは特に大切にしています。

――私オムさんは同い年ということですが。

そうですね。(取材日の時点で)まだ稽古4日目なのですが、演出で求められるポイントが分かりやすいです。感情の流れとか芝居の動きを、すんなり掴むことができました。

――共演者の方とのお芝居では、手応えを感じますか?

篠原(功)さんとは昨日初めて、2人のシーンを稽古したんです。それがすごく楽しくて。篠原さんの目力や芝居の圧を感じて、それを自分の中に取り入れられた感じがして、ニヤニヤしちゃいました(笑)。

篠原さんは芝居で感情を伝える能力がずば抜けている方なので、刺激を受けています。

――今作はシチュエーション・コメディーなのですよね。

シチュエーション・コメディー…久しぶりですね! 実を言うと、コメディーは不得意です!(笑)

笑ってもらえるかの心配や、笑いが起きなかったときのストレスがついて回るので、苦手なんです。

でも、今回はもう“兆し”が見えているといいますか。「いける!」と思えています。その理由はハッキリ分からないのですが、オムさんや共演者の方たちの影響なのかも知れません。

「園園」では、職を失った元警察官役撮影=後藤利江


自身とはまったく違う役!


――あまり あらすじが明かされていませんが、「園園」はどういったストーリーなのでしょうか?

バリバリ働いていた警察官がある日クビになってしまって、どうしていいか分からず、公園で過ごしているときにさまざまな人に出会って…という話です。

僕が演じる元警察官の男は、優しさゆえの弱さがあるというか、なよなよしている人ですね。

――では、ご自身とはあまり似ていないですか?

共通点は…ないですね(笑)。僕とは違うタイプの人を演じています。

――小野さんは、普段あまり悩まないタイプなのでしょうか?

1年に1回あるかないかですが、大きく悩むこともあります。とことん“底”まで悩んで、すぐに上がってきます(笑)。

相談相手になってくれる方がいるんですよ。芸能の世界とは全く関係のない仕事をされている方なんですが、親子くらいの年の差があるのに、僕の視点に合わせて相談に乗ってくれる。魅力的な人で、尊敬しています。

悩みはその人にだけ相談するのですが、包み込んでくれるし、時には厳しいことも言ってくれる“謎のおじさん”です(笑)。

面白いのが、その方は絶対に僕の舞台を見に来ないんです。俳優としての僕を見ちゃうと、余計な感情が湧いちゃうからですかね…?

“みんなが主演に見える”舞台を作りたい


――俳優さんというのは、作品ごとにチームのメンバーがガラリと変わる、他にないお仕事ですよね。

別の作品で再会することもありますけど、その時の共演が最初で最後になるかも知れないんですよね。だからこそ、一瞬一瞬を大切にしようと思っています。面白い仕事だと思います。

――今回、主演を務められますが、座長としてのポリシーを教えてください。

主演というのはうれしいですが、自分でいいのかなと思うこともあります。だから、「みんなが主演」だと思うようにしているんですよね。

「園園」のようなコメディーは特に、相手がいないと自分の役が成り立たないんです。

僕も「この人とのお芝居を!」と思って、本当に全力で芝居するようにしていますし、そういう気持ちは、今回の現場でみんなで共有したいです。(共演者に)直接は伝えないですけど、芝居で伝わばいいかなと思っています。

変に気を使わずに、全員が自信を持って舞台に立っている作品にしたいですよね。それが実現できているか、ぜひ見に来て感じていただきたいと思います。

「園園〜そのその〜」は1月23日(水)より、東京・北沢タウンホールにて上演される撮影=後藤利江