1月31日(木)より上演開始!脚本家・岸本鮎佳の劇団「艶∞ポリス」、新作舞台は『お金』がテーマ

2019/01/27 18:27 配信

芸能一般

岸本はドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」の脚本家としても注目を集める


見ている人をドキドキさせるシーンを!


――TVの連続ドラマと舞台で、意識している点はありますか?

岸本「私は緊張感あるシーンが好きなので、テレビでも舞台でも共通しているのは、見ている人がドキドキする、予想も出来ないシーンやセリフを書くことが多いです」

――今回なぜ「お金」というテーマを選ばれたのですか?

岸本「価値観を図るものっていろいろあると思うのですが、『お金』ほど価値観の違いがあからさまになるものって、なかなか無いなって考えていて。なので、いつか『お金』に対して異なる価値観を持っている人を集めた作品をやりたいなとずっと思っていました

昨年、ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』の脚本を書かせていただいた時に、取材を通して、これだけ恵まれてる日本にも『貧困』というものが、まだまだあるんだということを強く感じました。

幸い、私はお金持ち…とまではいかないものの、普通に恵まれた生活をさせていただいているのですが、ただただ『お金がない』という事だけで、物理的にだけでなく精神的にも貧しくなってしまい、人間らしく生きていくことが難しくなることが身近に、そして私にも起こる可能性があるんだと思ったら…震えましたね」

“お金に対する価値観”ごとに作り分けたキャラクターに注目


――台本を拝見して、各キャラクターの男女の性差と貧富の差にまつわる価値観の違いの作り込みがすごいなと感じました。物語の軸になる視点はどこに置かれたのでしょうか

岸本「今回のお話は、お金に対する価値観の対照的な二つの『家』を中心に進んでいきます。一つは、一見華やかなホームパーティーが行われる豪邸の家族とそこに集まるさまざまな人々、そしてもう一つは、いわゆる四畳半のアパートに住む芸術家志望の男とそれを支える女のカップルを描いています。どちらもみんな個性が強いキャラクターなのですが、今までの作品と違うのは、そのキャラクターが“お金に対する価値観によるもの”で、その人々の人間関係で浮かび上がる『お金とは』を描いています」

“お金に対する価値観”ごとに作り分けたキャラクターが見どころだ


“自分で稼ぎたい欲”が人より多いのかも?(笑)


――今作のタイトル通り、いろんなタイプの“パリピ”が出てきましたが実際取材されたのですか?

岸本「『PARTY PEOPLE』いわゆる『パリピ』の人って、実は私の周りにはあんまりいなくて…よくクラブに行ってる方が働いているバーに通っていろいろ話を聞いて取材してました(笑) 」

――ご自身が昔、友達にお金を盗まれた経験や過去の思いを話されていましたが、その思いはこの作品でどう昇華されたのですか。

岸本「友達にお金を盗まれたのは、今となっては気にしてはいなくて、全然根に持っていないんです。でも、やっぱりなんかシコリみたいに残っちゃうんですよね。それ以降、普通に顔を合わせても、ふとした瞬間に『あ、でもこの子盗んだんだよな…』とか。

本当に一瞬のことだったのに、暴言吐かれるよりも悪口いわれるよりも、記憶に残ってしまって、そのイメージが拭えない。それって、やっぱりお金って、それだけシビアなんだということなんだと思うんですよ」

――今回作品を作っていくうえで、お金への価値観や考え方は変わっていった部分はありますか?

岸本「作品作りを通して『お金への価値観』が変わるということはなかったですね。しかも、私のお金の価値観といえば、『友達と美味しいご飯を食べたい』『疲れたらマッサージ100分やりたい』『服もコスメもオシャレなものが欲しい』『休みの日は旅行に行きたい』『そして、それらを全部自分のお金でやること』なので、普通で全然面白くないです。ただ、私は“自分で稼ぎたい欲”が人より多いのかもしれません(笑)」

――最後に、今回の舞台への意気込みをお願いします!

岸本「脚本も演出もそうですが、出演者も舞台美術も音響も照明も衣装もなにもかもギリギリまで粘って作りました。お金の価値観はシビアなものですが(笑)、こんな贅沢なお芝居が3800円で見れることなんてなかなか無いと自負してます! ぜひ劇場で、見ていただきたい作品です」