河村隆一が初のドキュメンタリー番組に挑戦!

2010/10/15 09:00 配信

芸能一般

初のドキュメンタリー番組でカンボジアのアンコールワットなどを訪問した河村隆一

ことし8月に復活を発表したロックバンド・LUNA SEAのボーカリスト・河村隆一に完全密着したドキュメンタリー番組「河村隆一×我流」が10月17日(日)にBSフジで放送されることが決定した。番組では、河村が今後予定しているカンボジアのアンコールワット遺跡群での単独ライブに向けた下見の模様、さらに和歌山・南紀白浜でのプライベートに密着した。放送に先駆け、河村に現在の気持ちを語ってもらった。

――まず、この番組についてお聞きした時の気持ちを教えてください。

「自分にとって、あこがれの地だったアンコールワットで、コンサートをやってみたいと前々から言っていました。そんな中で、いろんな話がうまく進み、『アンコールワットでライブがやれそうだ』ということになって、じゃあまずは現地に行ってみようという話になりました。今回そこに最初に足を踏み入れる時に、番組に取材していただけるというのは、すごくうれしいと思いました」

――アンコールワットにあこがれを持つようになったきっかけはありますか?

「実はアンコールワットでコンサートをしているアーティストの方って結構いるんです。アーティストの世界では伝説の地になっていて、僕もそんな地でできたらなと思ったことがきっかけです」

――今回が、ご自身初のドキュメンタリー番組出演だとお聞きしました。四六時中カメラに追われていたことに対して、どう思われましたか?

「窮屈さはなかったですね。制作に当たってくれたチームも普段プロモーションビデオを撮っていただいている方たちでしたし、自分がよく知っているスタッフに同行していただいたので、気心も知れているから助かりました」

――アンコールワットでのライブをノーマイクで行うことを希望されたとお聞きしました。その理由を教えてください。

「アンコールワット遺跡群に足を踏み入れて、添乗員の方に、いろんな歴史をお聞きしていく中で、やはり“ハリボテ”じゃダメだと思いました。最初から響きがあって、景色があって、背景があって、そして何千年という歴史をその地は持っていて、その中で、最新のテクノロジーのようなものっていうのは一切、通用しないと思いました。多分あそこで擬似的な音楽を作っていったとしたら、遺跡との距離ができてしまうんではないかなと思ったからです」

――番組中、音や声の“響き”を大切にされている印象を受けたのですが、“響き”を意識されるようになったのはいつごろからですか?

「ノーマイクでやり始めたのは、実はもう何年か前になるんですが、“RKF”という自分のファンクラブが主催したツアーでイタリアのミラノに行ったんです。そこで、修道院の食堂だった石造りの小さな建物をお借りして、300人くらいのお客さんを入れてライブをやったんです。そこで感じた響きがすごかったんですよ。これは、アンプを通したら、せっかくの音楽が台無しになってしまうと思い、マイクを外して歌ってみようということになったんです。その時から生の自分の声とか、生の音の響きとかっていうものにすごく興味がわくようになりました」

――'08年からミュージカルなど、役者としても活躍されていますが、役者を経験したことで河村さんの音楽の中で新たな発見はありましたか?

「'08年に初挑戦し、ことしも再演した『シカゴ』というミュージカルでは、ブロードウェイからいらした音楽監督の方が僕に付いてくれたんですが、ビブラートのかけ方など、すごく細かく追求されました。今では当たり前になっているジャズの歌い方が、設定の時代にはやってないからダメだ、というような指導で、本来ならば自分の歌い癖で済ませてしまうものを、すごく厳密に追求してくれたというのが、楽しくて仕方がなかったです。ソロ活動もバンド活動も自分らしさを音楽にぶつけていくということが中心になることが多いので、当たり前ですが、音楽の魅力と自分の魅力というのが2通りあるんだということがミュージカルを経験して分かりました」

――ご自身も音楽をやられていて、ある程度の音楽的な理論があると思うのですが、他人からディレクトされて音楽をやるということに抵抗はなかったのですか?

「あの…ありましたね、最初は。だけど、センスの良い人って瞬時に分かる瞬間があって、その時の音楽監督の方は、会った瞬間から『あ、この人だったら、言うことを聞いてみたい』って思うことができたので割とすぐに慣れました。それは、歌だけじゃなくて、芝居や振り付けに関しても本当のエキスパートがいらっしゃっているなと感じたので抵抗はすぐになくなりました」

――12月に、LUNA SEAは東京ドーム公演としては約3年ぶりの復活を遂げるわけですが、今LUNA SEAが復活する理由はあるのですか?

「一番の要素となったのは、過去よりも良い音を出しているメンバーとやれるっていうことです。それは'07年の一夜限りの東京ドームでの公演で実感したことで、あの時もリハーサル初日に音を出してみるまで、確信までは至っていなかったんです。でも、リハーサルで最初の音が出た瞬間に『あ、このバンド、カッコよくなっている、進化している!』と思うことができました。今なら過去のLUNA SEAを超えられると思ったんです」

――それでは、番組放送を心待ちにされている方々に、ここは見て欲しいというポイントがありましたらお願いします。

「今って何をして心のモチベーションを保ったら良いのか分からないような世の中だと思うんですが、是非この番組を見て元気になって欲しいなと思います。そして、この番組を通して、もしかしたら自分の周りにもっともっと深呼吸できる場所があるんじゃないかと気が付いて、周りを見渡す気持ちになってくれたらうれしいです」

――最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

「アンコールワットでは、来年の早い時期にライブをやろうと思っています。僕は、アーティストとして、常に大きなものに自分自身をぶつけていきたいと思っているので、ぜひ、今回の番組を見て、ライブを楽しみにしていただけたらと思います」