“ゾンビ”と“人間ドラマ”の異色のコラボ作「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」(毎週土曜夜11:30-0:00、NHK総合)で、ゾンビに立ち向かう主人公・みずほを演じている石橋菜津美にインタビューを実施!
演じるキャラクターの魅力や、これまでの印象的なエピソード、終盤の見どころなどを語ってもらった。
――ゾンビもののドラマは世界的にも注目を集めていますが、本作の印象は?
ゾンビものというとぶっ飛んだ世界と思われるかもしれないですけど、ゾンビが出てくる以外はほんとにリアリティーのあるストーリーなんです。
不倫とか友情とか家族とか、身近に潜む問題がゾンビによって浮き彫りにされているヒューマンドラマで、共感しやすいと思います。
――これまでの放送で印象的だった場面を教えてください。
第2話で、ゾンビから逃げている中で、みずほの夫・小池(大東駿介)が、親友の美佐江(瀧内公美)と不倫していることが発覚したシーンは印象的でしたね。
美佐江から気持ちを打ち明けられる場面の撮影は、すごく集中していました。映像ではどうなっているのかなと思っていたら、結構ポップな感じで。悲しみとか不協和音とかにはまり過ぎない、ちょうどいい感じなんです。ゾンビから見た人間がいかに醜いか。
人間から見たらゾンビはかわいそうで醜く見えるんですけど、逆の立場からしたら人間の方がよっぽど醜いというような表現で、すごい面白いシーンだなと思いました。
――演じるみずほについてはいかがですか?
ひょうひょうとしていて何事にも執着のない性格な女の子。実は日頃から私が言っていることとか思っていることが、みずほのせりふに組み込まれていて。
当て書き…ではないと思うんですけど、みずほという役は結構ありのままの私なのかもしれません。
――具体的にそのせりふは?
例えば第1話の「どうせ死ぬのに何でご飯食べるんだろうって思わない?」というせりふは、私がよく言っていた言葉なんです。
完パケ(完成DVD)を母と一緒に見たんですけど、「あ、菜津美が言ってることを(みずほが)言ってる」って言われました(笑)。
心から言い慣れている自分の言葉が世の中に出ているような気がして、ちょっと不思議な感覚でした。
――かなりご自身と近い役なのですね。
ただ、違う部分もあって自分自身は思っていることを口に出して自分と向き合うことってあまりしない方だと思うんです。みずほは自分の思いを常に口に出すタイプなので…。
見る方は役として見られるからいいかもしれないのですが、あまりにも役に近いと自分を評価されてしまうような気がして…。役だからという“他人事”にできない感じがします。
――ドラマから離れて、石橋さんのオフの日の過ごし方は?
休みの日は友達とお買い物とかおしゃれなカフェに行ったりして、一日中おしゃべりしています。その友達とは感覚が似ていて、同じ洋服を着ることもあるんです。不思議なつながりがあるんですよね。
――ちなみに好きな食べ物は?
ブロッコリーです! 食感と味が大好き。マヨネーズとか調味料を付けなくても、いくらでも食べられます。一週間ブロッコリーでも平気なくらい(笑)。
――2019年といえば亥(イノシシ)年。“猪突猛進”的にハマっていることはありますか?
Instagramでビルを建てる早回しの動画とか、ただせっけんをバリバリ割っている動画を見ることにハマっています。
身の回りの物の構造を知ることが好きで、見ているとなぜだかほっとするんです(笑)。無我夢中で見ちゃいますね!
――2019年の抱負も教えてください。
今年に限らず常にそうなのですが、全部の仕事に真摯(しんし)に向き合うことです。
全く悔いがない…というのは難しいかもしれないですけど、自分の人生は楽しかったなと心から思えるように、これからも楽しんで仕事をしたいと思っています。
――最後に、人間の思い、醜さ、欲望などが描かれているこれまでにない“ゾンビドラマ”ですが、終盤の見どころを教えてください。
生き抜くためには何か犠牲をつくらなければならないというところで、追い込まれたときに出てしまう人間の狂気が静かに行われていきます。あとは、ゾンビになる直前の人間が語る、一番人間らしい言葉に胸を打つ方も多いんじゃないかと思うので、注目していただきたいです。
取材・文=Rum
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