映画「七つの会議」野村萬斎&香川照之『これはスーツを着た平成の侍たちの時代劇』

2019/02/02 13:00 配信

映画

野村萬斎&香川照之出演で人気の作家・池井戸潤の「七つの会議」が映画化撮影=西村康

今回の八角もとらえどころのない役でした(萬斎)


――お二人が演じられた八角と北川に対しては、どのような印象を抱かれていますか?

萬斎「僕は得体の知れない役を演じることが比較的多いのですが、今回の八角もとらえどころのない役でしたね。周囲からはぐうたら社員に思われているけれど、実はそれだけではない部分があって。そんな八角のダークサイドを演じるのは楽しかったです」

香川「(自身が演じた)北川は上に弱くて下に強い、典型的な管理職ですよね。でも、彼がいるからこそ、この会社の体質が浮き彫りになっていくので、いい敵役というか、東京建電という会社の今を表現するいいサンプル例となるキャラクターなのだと思います」

――もしおふたりがサラリーマンだったら、どういう社員になっていると思いますか?

萬斎「それは一度も就職をしたことがないから、分からないですね」

香川「それは僕も同じですが、八角のように会議で寝ていたら完全にクビでしょうね(笑)。ただ、自分としても会社員にはなれないなと思ったことはあります。それこそ学生時代の話ですけど、毎日同じ時間に出社して、同じような毎日を繰り返すのは無理だなと。だから、サラリーマンの方々は本当に偉いと思います」

萬斎「僕も音楽をやりたいとか、スポーツ選手になりたいとか、そんなことを思ったことはありますが、サラリーマンになるというよりも、何か人と違ったことをしたいと思うタイプでしたから。ただ、社会に出て思うのは、サラリーマンの方々も我々も結局は組織の中に属していて、そこにはある一定のルールがあるし、上下関係もあるということ。とはいえ、香川さんがおっしゃるように、僕も毎日同じ時間に出社して、同じ毎日を繰り返すことができるかというと、できなそうなので非常に社会不適合者だと思います(笑)」