――役を演じた感想は?
まさかこの年でヤクザ役がくるとは思っていなかったので、「果たして僕にヤクザの兄貴分の雰囲気が出せるのか」という不安もありました。
その不安と戦いつつ自分で作り上げていくしかないなという思いで撮影に挑みました。
出来上がった作品を見て、今までの自分になかった一面といいますか、白洲迅としての役の幅が広がったなという思いを抱けたので、「やり切ったな」という思いがあります。
――女優さんと一つの役を演じるということについては?
二人の役者で一つの役を演じるなんてなかなかないことだと思いますし、それが女優さんとやるというのは今後ないんじゃないかな。
こんなに事前に役に対して話し合ったり、一緒にディスカッションしたりしながら(役を)作っていったのは初めてだったので、本当に大変でした。
でも、女優さんたちはもっと大変で、男性を演じるというのに加えて僕らのしぐさまでトレースしないといけないので。
そんな中で、一緒に山本健太郎という人物を作り上げていくための作業の一環として、僕も岡本(夏美)さんのしぐさを研究しました。役者として本当にいい経験をさせていただきました。
――岡本さんとのディスカッションではどのようなことを話し合ったのですか?
健太郎の、兄貴分でクソ真面目で、融通が利かないといった人となりについてや、役の心情の捉え方、しぐさについて話し合いました。
そんな中で、岡本さんは僕と一緒で負けず嫌いな方なんじゃないかなという印象を受けて、ホッとしたというか、安心した覚えがあります。
そういう根本的な気質は他の役者さんの演技にどう反応するかというような、“芝居の反応速度”にも関わってくると思うので、そういう共通点があった岡本さんで良かったなと思いますね。
――見た目が自分から岡本さんに変貌した感想は?
言わずもがな、もちろんかわいいですけど、顔の系統は同じな気がしていて「あり得そうだな」と。同じ丸顔ですし(笑)。キャスティングさすがだなと思いました。
――二人で一人のキャラクターを作り上げるという大変な作業を経て、出来上がった作品を見た時はこれまでの作品とはまた違った感情が生まれたのでは?
そうですね。撮影に入る前はどんな感じになるのか想像がつかなくて「この原作の世界観をどういうふうに表現するのだろう?」という不安があった中で、出来上がりを見て単純に面白いって思えたので、監督、スタッフ、キャスト含め僕らなりにしっかりと表現できたんじゃないかなと安心しました。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)