――学生時代からお笑いサークルで活動されていて、その後、養成所を経てプロデビューされたそうですが、サークル時代、養成所時代、そしてプロになってから、それぞれ笑いに対するスタンスにはどのような違いがあるのでしょうか。
星野:大学のサークル時代は、サークル員同士がお互いのネタを見ることがほとんどだったんです。他の大学の学生が見に来てくれることもありましたけど、これが限界で、ネタを見てくれるお客さんは、自分たちと同じ大学生なんですよね。
一平:友達だし、お笑い好きだし。
星野:何なら知り合いも多い。それが養成所に入ると、お客さんの年齢層が幅広くなります。もちろん友達とか知り合いも多いんですけど、その友達の親が来たり、小さい子たちが来たりして、バックグラウンドが違う人たちを、みんな笑わせなきゃならないっていう違いがあります。
一平:しかも、お笑いが好きじゃないけど誘われて来たっていうお客さんもいるから、難しいよね。
星野:養成所内では、お客さんの投票でランキングが出るんですが、だいたいオーソドックスな漫才とかが上位に来る。昔からある形の笑いが良しとされるんです。
それがプロになると、さらに競争になるので、個性がないといけないなとすごく思うんですよね。周りにもたくさん芸人がいて、オーソドックスな漫才をやってる芸人なんていっぱいいて、「じゃあ自分たちの色は何なの?」っていうのが、より求められるようになりました。
一平:そうだよね…って、僕らまだ、2年目なんですけどね(笑)。
あと、NHK(新人お笑い大賞)を取ったことで、ワンステージ上に挑戦させてもらえる権利とかチャンスをいただけたと思うんですけど、そうなると、さらに大きい壁を痛感するよね。
もっと税の知識を詰め込んだ方がいいんじゃないかってアドバイスをもらったり、逆に、芸人として面白い方向に進んだほうがいいって言われたり、方向性がいろいろあって。
事務所ライブでは、税理士ネタもウケるようになりましたけど、そのネタではまだまだテレビには出られませんし、多分今のままじゃダメなんだろうなっていう感じはするんですけど…その先の方向性がまだ見えていない。全然ステージが違うよね。
星野:元税理士なんで、税理士のネタを作って持っていくんですけど、やっぱりお笑い芸人ですから、面白いネタにしたいじゃないですか。だから、ボケてボケて、ちょっと税金の話をして、それでまたボケて、っていうネタを作るんですね。で、そのネタを番組のオーディションで見てもらったりすると、「もっとためになるネタの方がいいよ」って言われるんですよ。でも、“ためになる”って、そもそもお笑いのネタに必要な要素なのか?(笑)
一平:90秒でためになることを2つ以上詰め込んだら、それはもう説明じゃん!(笑) ネタじゃない!
星野:そんなことはしたくない! でも、もしそっちの方向性で行くなら、それくらい振り切らないといけないのかなぁと。
一平:そこはまだ正解が見えてないけど、でも、ここまでようやく来れたのかもしれないね。
でも今回、“物まね”っていうお題を提示されて、「そっちもあるのか!」と思いました。
星野:今日の収録は、でっかい一歩だったと思いますね。自分たちは全く素人なジャンルに飛び込んだので。
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