――歌われる楽曲はオリジナル中心ですか?
伊藤::オリジナルがほとんどなんですけど、学生運動の時代に流行っていた曲もアレンジして使われます。例えば「友よ」は、コーラスワークでかなりのアレンジを加えて使用しています。
オリジナルの楽曲も、全部いい曲なんですよね。僕が歌わない曲でも「この曲いいな。ライブで歌いたいな」という曲がいくつもあります。
特に「命の言葉」という曲は、とても壮大なナンバーで、好きですね。魂の訴えと言いますか。ダイナミックなこの曲は作品の中でも注目の一つ。重たい曲もちょこちょことちらばっている中で、この曲は圧巻だと思います。
――大人数が登場する舞台ですが、その中でのアピールしたいお気持ちはありますか?
伊藤:演出の菊地まさはるさんは、共演経験はもちろん、僕のことを別の作品でも見ていただいていて、どんな俳優なのかをご存知で、「違う空気感を出せる」という意図でのキャスティングだと思うんです。だから、特に目立とうと努めなくても、台本に描かれてることを演じれば、存在感を出せるのかなと。個人的に目立ちたいという思いはないです。
――「タイム・フライズ」のポイントをあらためて聞かせてください。
学生運動を描く作品で、その中で「戦争反対」の声をあげていたりしますが、そうした部分以上に僕は、作品が描く友情や人間同士の関係性に惹かれています。今稽古中ですが、稽古で泣かない日がないんです。
皆で作り物をしている場面とか、作業をしている中での仲間同士の会話とか、セリフで説明的に友情関係を語っているわけではなくて、一つ一つの行為というか行動で、団結力を描いている。その上に友情が乗っかってくる。難しい話とは捉えてほしくないですね。苦手とか思わずに来場してほしいです。
僕の部分で言うと、なんか変な奴がいるな、ちょっとだけ変わり者がいるなって思っていただけたら。自分では「愛されキャラ」だと思って演じているんですけどね。視点が違うだけで向いてる方向は仲間と一緒なので、だから受け入れられてる。嫌われてはいないんです。変なやつ、だけど面白いやつだなって。
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