これまで放送された中で印象に残っているシーンについては、「森本は、出だしは割と輪を乱すことをする男でした。人の食べ物を取ってケンカしたり、少ないせりふの中でトゲがある言葉を使ったり。塩軍団の中でもみんなと距離があり、周りもちょっとけむたがるような存在。そこからどうやって仲間になっていくのかが、最初の難関でした。人間なので、どこかでは笑ったりするだろうし、どこなら自然かなと考えましたが、台本を読んでもどこがベストか分からなかった」と振り返りつつ、
「でも、慰労会のシーンが本当に楽しくて。萬平さんが面白過ぎたので、森本が初めて笑うシーンも自然とできたんです。慰労会で楽しく笑ったあとは、森本が食事どきに仲間と普通にしゃべったりできるようになっています。自然な流れができて、僕的にも助かったので慰労会が印象深いですね」としみじみ語った。
また、「『たちばな栄養食品がつぶれるかも』と森本が言って岡に胸ぐらをつかまれるシーンも忘れられません。中尾さんとはケンカするシーンが多いのですが、いつも心でぶつかってきてくれます。あのシーンは、言われている僕も本当にぐっときました」と語り、「まさにそのシーンの撮影後、塩軍団の面々と飲みにいったんですが『いやあ、きょうのシーンは(感動した)……』と言ってくれて。岡と森本の二人が何回もいざこざを起こしているのをずっと目の当たりにしてきたみんなも、感じ入ってくれたようでした」と“塩軍団”の絆の強さを明かした。
再登場してから森本は岡と共に香田家の次女・吉乃(深川麻衣)へ好意を寄せることになるが、「吉乃ちゃんへの一目ぼれの恋の行方も、どうなるでしょうね。『おれたちこれ、どうなるんだろう?』と中尾さんと話しているんです。『紳士協定』を結びつつも、『絶対こいつには負けない』というバチバチ感があったほうがおもしろいだろうし、それなのに男として格好つけているというのが岡と森本らしいかなと、演出とも話しています」と語る。
岡との関係は特別なようで、「岡と森本はちょいちょい、分かりづらいところで助け合っているんですよね。岡が最初にケンカしてきて仲間にとがめられているときも、森本がふわっと肩を持つし、岡も岡なりのやさしさを森本に差しだして、2人の助け合っている感じが興味深いです。年配のおじいちゃんたちが『おまえ、ちょっと〇〇〇だな』『なんだよ、うるせえな』と言い合っているところを、たまに見かけませんか? ケンカしているようで、ケンカじゃなくて、あいさつ代わりにケンカ腰みたいなやりとりです。最近はあまりないけど、この時代はよくある関係性だったのかもしれません。岡と森本にもそんな雰囲気が出せたらいいなと思っています」と楽しそうに語る。
そして最後に視聴者へ、「失敗と成功が繰り返し、入れ替わり立ち代わりいろんな状況が萬平さんたちに降りかかりますが、森本は変わらない存在として約20年をいっしょに生き、最後にはラーメンも一緒に作っていきます。僕自身も一話から『まんぷく』を観ているので、久しぶりに出てくる牧善之助(浜野謙太)さんに『変わらないな』と安心したり、加地谷(片岡愛之助)さんが、萬平さんを応援していることに感動したりしています。森本からも成長はしつつ、ずっと変わらない安心感というものを感じていただけたらうれしいです。
この作品に関わらせていただく前からずっと好きな即席麺も、そういえば何回食べても飽きないし、いまだに買うことに気づきました。そういうのって、すごくいいですよね。この『まんぷく』という作品も、放送が終わってからも視聴者のみなさんに何度も思いだしてもらえるような作品になるといいなと願っています」とメッセージを送る。
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