バレンタインの渋谷。どこか浮き足立っているように見える若者たちの喧騒を抜けると、浮き足どころか早々と有頂天になっていると思しきファンたちの集うライブハウスがそこにはある。
バレンタインということでいつもとは違う特別仕様のライブであることは分かっていたが、序盤からすごい勢いでかわいらしい世界が会場を包み込んできた。
ステージ上ではとても饒舌な歌声を響かせる浜崎香帆のアマガミ時々ややキレ気味の「もうやだ~!」が響き渡るキュートな場内アナウンスでひと笑いあった後、いつもの入場音が流れ、メンバーがステージに入ってくる。
ワクワクしながら1曲目のイントロに耳を傾けていると、バレンタインにはピッタリのカラフルな「Glowing」サウンドが流れ、リーダー・高嶋菜七の発音良過ぎな「ハッピーバレンタイン エブリワ~ン 楽しいバレンタインデーにしようね~!」の掛け声で会場のボルテージが急上昇。
手でハートを作って“おもてなし”をしてくれたかと思えば、心なしか振りがいつもと違って見えるくらい愛情のスパイスが効いた動きで盛り上げるメンバーたち。
いつもと同じ振りですけど何か? って言われたぐうの音も出ないので断定はしないが、また一味違う「Glowing」に出合えたなと勝手にフムフムうなずいていると、続いて話題の中心になりがちな脇あかりの友達感のあるフランクな歌い出しから「Kiss x Bang Bang!」へ。
おそろのポニテで決めた櫻井紗季&橘二葉のハモリも印象に残ったが、6人が横一列で投げキッスをする寸前、ほんの一瞬ヨイショっと肩をすくめる、てへっ感のあるしぐさがとてもキュートだ。
相変わらず幼稚園の先生のような語り口で「バンバンしよ~!」と呼び掛ける浜崎の声に釣られ、その場で小さめにバンバンしていると、続いていつもその浜崎の「シャ~イボーイ」で勝手にドキッとさせられる「Honey! Come Come!」に突入。
ここは誰が何と言おうと櫻井のラップしながら斜めに切り込む“イサキカットイン”がキレていた。ポニーテールだから髪のハネ具合に躍動感があったのも大きいが、いつも以上に輝いて見えた。
そして高嶋のボーカルに心が持っていかれがちだが、高嶋のソロの横でガウガウ&くねくねとした振りをするメンバーのラブリーさったら。チョコレートよりよっぽど甘美だ。
キスバン・ハニカムときたら、あれしかないでしょうな!と心のセットリストを先にめくると正解。やはり鉄板の流れ「現状打破でLove you」のイントロが聞こえてくる。
以前は運動会の父親のような心境で見守っていたが、最近はもう安心して見ていられるじょにーこと上西星来の歌い出しがバッチリ決まり、あらためてふと思ったのがTPDはソロパートを歌うメンバーの横や後ろで踊るメンバーの表情もとても豊か。
推しメンをずっと追うタイプは別としてもどうしたってボーカルに目がいってしまうけど、彼女たちは一人一人一切妥協なく踊り、それこそ今すぐ「BOOMERS」のロケVTRで使えます!ってくらいきっちり全身で表現している。
なぜ今さら気付いたのか…。私もボーカルを追いがちだが、今度はちゃんとその横に注目してみよう。
ここまでバレンタインらしいポップで愛らしい音楽が続いたが、5曲目で一発リセット的な「Collection feat ☆Taku Takahashi(m-flo)」タイム。
この日全般的にそうだったが、やや高嶋のマイクが特にエコー強めだったような…。そのおかげで普段から伸びやかな声がさらに伸びに伸び、渋谷中に響き渡っちゃうんじゃないかと思うほど伸びていた気がする。
それはちょっと言い過ぎたが、どんな状況下でも結果を出せるのがディーヴァ高嶋のすごさなのかもしれない。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)