助演女優賞は吉田羊「俳優として、ここでもう一度チャレンジをさせていただいた役でした」【ドラマアカデミー賞】

2019/02/14 12:00 配信

芸能一般

聖を狙っていたように見えたのは「あえてのミスリードです(笑)」と羊さん(C)TBS


聖ちゃんの存在は別格で認めているような気もするんです


――第3話のタコパのシーンなどは、そう見えました(笑)。そんな原口さんですが、第7話で、川合勝太郎(町田啓太)が聖に対して苛立ちをあらわにした際「(聖のことを) 飛んでって抱きしめたくなる。そういう性分なのよ」と語ったシーンも印象的でした。原口さんにとって聖はどんな存在だったのでしょうか?

「不思議な子だったんですよね。演じる架純ちゃんに重なるところがあるというか。純粋で真っすぐで、そして不器用で放っておけなくなる存在というか。この子の人生を何とか軌道修正してあげなくちゃと思わされる子でした。監督は私と晶くん(岡田健史)を合わせ鏡だとおっしゃったんですけど、聖ちゃんともそうだったな、と思うところもあって。思いがありながら本当のことを言えなかったり、相手のことを思うからこそ、反対のことをしたり。どこか自分に似ているからこそ自分にはできないけど、この人には成就してほしい、という自分のかなえられない愛を彼女に託すことで自分も救われていく、そういう想いもあったような気がしますね」

――第9話で聖を心配する川合に嫉妬心を抱いているようなシーンもありましたが…

「後半で『あたしが嫉妬している』とありましたけど、それは『私に対してはこんなに真剣にならない』という川合に対する嫉妬、なのかな。聖ちゃんの存在は別格で認めているような気もするんです。聖という一つの生き物として彼女を大切に思っている。対女性同士としては見てなかったんじゃないかな、と私は思うんです。でなければ、あそこまで聖ちゃんに親身になれないし、もっとドロっとした何かを抱えてお芝居をしたら、あれだけはっきりとものを言う女性ですから、その根底に本当に相手を思う愛がなければ、あのキャラクターはギリギリのところで愛されないと思うんです。この人の中で聖ちゃんの存在は特別だったからこそ、それが見ている方にも伝わって、この人は聖ちゃんの味方だと思ってもらえたんじゃないかと思います。

ただ、私が架純ちゃんを大好きということがありますけど、演じる人の人柄が役ににじむので、聖ちゃんを通して架純ちゃんを感じていたのだと思います。だからこそ嫉妬できなかったというか、私は架純ちゃんの女優としての佇まい、存在そのものを尊敬しているので、その気持ちも役の感情に少なからず反映されていたんじゃないかと思います」

関連番組