監督賞は「今日から俺は!!」 福田雄一監督『賀来賢人と伊藤健太郎からは中二病と言われ…』【ドラマアカデミー賞】

2019/02/16 15:00 配信

ドラマ

第99回ドラマアカデミー賞監督賞は「今日から俺は!!」を手掛けた福田雄一監督撮影=カノウリョウマ

成功の鍵は『僕の思う中二病の全てが描けたこと』


――「今日から俺は!!」はそんな福田組に見事にマッチした作品だったと思いますが、福田さんが一番伝えたいと思った部分は?

まず僕の好きなものの根幹である、「男の子のマジな部分をちゃんとふざけずにマジでやる」こと、そして「ふざける部分を徹底的にふざける」ことでした。でも第9話と最終話を上げた時、(賀来)賢人と健太郎に「福田さんは中二病だ。中二病じゃないと、この脚本書けないっすよ」って言われたんですよ(笑)。

正直それは正しくて、「カッコいいのに面白いヤツ」その逆の「面白いのにカッコいいヤツ」って、まさに中二病のキモだと思うんです。かっこいいだけじゃダメなんですよ。普段は弱いのに、普段は面白いのに、やる気になったら超カッコいい。それが僕の思う中二病の全てで、それを描くのが大切だと思いますし、今作ではそこが描けたことが成功の一つだったと思います。

――その代表的キャラクターが主人公の三橋でしたが、演じた賀来さんはいかがでしたか?

良かったですよね。でも、まだまだいけるとも感じました。コメディーはとにかく体力を使うので、後半少しバテていたかな(笑)。バシバシお尻を叩いたらしっかり応えてくれたのはさすがでしたが、今度一緒にやるときはもっと余裕でゴールしたいですね。そこは、賀来賢人の伸びしろということで(笑)。

――そんなキャストの中で功労賞を上げたい人は?

磯村勇斗ですね。相良は僕が一番こだわっていた役なのですが、非常に的確な芝居をしてくれました。(主人公たちと敵対する)開久高校でも、智司(鈴木伸之)はなんだかんだナイスガイなので、性根から腐っているのは相良だけ。相良が視聴者にとって本当に「ムカつく奴」でないと「今日から俺は!!」という作品は成立しなかった。MVPだったと思います。

若い俳優たちとの挑戦 “ゴリゴリ感”に押されるも…


――改めて、今回の作品を振り返ってみて、いかがでしたか?

これからの若い俳優さんたちと、ある種深夜ドラマみたいな企画をやらせてもらえて、すごく楽しかったです。すごくベタな言葉で言うと「パワーをもらいました」。だってみんなすごいんですもん、“俺が一番目立ってやる”みたいなゴリゴリ感が(笑)。そのパワーに押されるからすごく疲れるんですが、でも逆にそれが作品と僕にいい作用を与えてくれたと思っています。若い俳優さんとワイワイガヤガヤやりながら楽しく作れるドラマはなかなかないと思うので、そういうチャレンジングな企画をやらせてもらえたことも非常にありがたかったです。

――出演者の皆さんがSNSで発信していたことも盛り上がりの一端になっていたと思います。

放送日には午前中とか昼くらいから、出演者たちが「『今日から俺は!!』見てね」ってSNSで発信していたのですが、あれもみんな自発的にやってくれていていたんですよ。みんなが宣伝したいと思うドラマを作れたんだなというのもありがたかったですし、うれしかったですね。