主演女優賞は戸田恵梨香 『ムロさんがいるから大丈夫、と言い聞かせていました』【ドラマアカデミー賞】

2019/02/17 18:00 配信

ドラマ

主演女優賞は「大恋愛~僕を忘れる君と」で北澤尚を演じた戸田恵梨香(C)TBS

2018年秋クールのドラマを対象にした第99回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で主演女優賞を獲得したのは、「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系)の戸田恵梨香。若年性アルツハイマーを患う女医を演じ、「病気の進行を表現する演技に、胸が締め付けられた」と高い評価を受けた。また、夫役のムロツヨシとのコンビにも多くの支持が集まった。

――読者、TV記者、審査員、全ての分野で多くの投票があり、最優秀主演女優賞に選出されました。受賞のお気持ちをお聞かせください。「大恋愛―」に関わった全てのスタッフ、キャストの皆さんに心より感謝いたします。そして私たちの奇跡を最後までご覧くださり、愛してくださった皆さまに感謝いたします。本当にありがとうございます。

――「若年性アルツハイマーにより、変わってしまう尚の姿に涙が出た」など、尚の変化に絶賛の声が多数ありました。尚を演じるにあたり、難しかったことや意識されていたことなどはありますか?

尚を演じるにあたり、大きく3段階に分けて考えていました。まず、まだ病の事に気付かず人生を真っすぐに生きている尚。2つ目は病気のことを知り、恐怖と闘う尚。3つ目は恐怖から解放された尚。大きく分けると分かりやすいですが、これを徐々に変化させていくその点を導き出すのにはとても時間がかかりましたし、非常に悩まされました。

――心揺さぶられるシーンやセリフも多かったと思います。今回の作品で印象に残っているシーンや、忘れられないセリフなどを教えてください。

正直、印象的なシーンやセリフが多く、一つに絞るにはとても難しい質問です(笑)。どのお話も言葉も愛おしく大切なものばかりですが、尚と真司の「愛」で挙げるとしたら、第5話でしょうか。2人の別れ、再会まで一気に描かれていましたが、居酒屋で再会して目が合った瞬間の鳥肌は今も忘れられません。

――真司を演じるムロツヨシさんとの息の合った演技やSNSなどで見せる仲のいい姿もとても印象的でした。戸田さんにとってムロさんはどのような存在でしたか?

ムロさんは本当に優しく温かく支えてくださって、私の心の柱となっていました。「ムロさんがいるから大丈夫。なんとかなる」と言い聞かせられるほど、私にとって不可欠な存在でした。

――本作は脚本賞にも選出されました。なぜこれほどまでに視聴者の方に支持されたと思いますか? また、大石静さんとのエピソードがあれば教えてください。

本当にうれしいです。ありがとうございます。大石さんとは「何かご一緒したいですね」と以前から話しておりました。その夢がようやくかなったのが今回の作品なのですが、始まる前にお食事にお誘いいただき、たくさんお話させてもらい、私らしさとムロさんらしさを脚本に乗せてくださいました。大石さんのその洞察力の高さに驚かされる3カ月半でした。

大石さんの言葉は、さっと読むだけだとドキッとするくらい直球的で、なおかつ文学的で、音にするには難しいんじゃないかと思うのですが、実際に演じてみると全く違和感がなく、自然に出てしまうんです。その不思議な魅力が届いたのではないかと思います。

――クランクアップの際には「『大恋愛』を私の代表作にしたいと思っています」というコメントもありました。あらためて、今作は戸田さんにとってどのような作品となりましたか?

本当に私の代表作となりました。大きな愛とたくさんの奇跡が重なって出来たのだと思います。そんな奇跡の作品と、スタッフの皆さん、キャストの皆さんの存在がこれからの私にとっての励みになり、支えになっていくのだと思います。