「第99回ドラマアカデミー賞」のドラマソング賞は、最優秀作品賞も受賞した「中学聖日記」のためにUruが書き下ろした「プロローグ」。「透明感あふれる作品のテイストにピッタリ!」「ささやくような優しい歌声と伸びやかな高音に毎回癒された」と、中学教師の聖(有村架純)とその生徒・晶(岡田健史)の許されなくとも純真な悲恋に心を揺さぶられた視聴者の心を包み込む一曲として、人々の胸に刻まれた。
――まずはドラマソング賞を受賞されたご感想をお聞かせください。
皆さまに選んでいただけて、うれしいです。ありがとうございます。
――「主人公たちの心情をよく表していた」という声が多かったですが、作詞作曲はどのように行われたのですか?
いただいた脚本を何回も読ませていただいて、作りました。今回は3話ぐらいまでいただいて、大事かな?と感じるセリフや場面に直接色を塗ったりしていきました。セリフ自体も大切ですが、セリフとセリフの間にはこんな心の動きがあるんじゃないかな?と想像したりもします。
――歌詞を書かれる際にはご自分に置き換えて考えられるそうですが、今回の脚本を読んで感じたことは?
歌詞を書く際に感情を想像するために、街で中学生を観察してみたりしたんです(笑)。でも、作中の2人にとっては年の差は関係なく、ずっとずっと真っすぐに思い続けることがこの作品の根底にあると思いました。脚本では、晶の多感な時期のモヤモヤした感じも描かれていたので、早く続きが読みたい!と思っていました。
――新井順子Pからリクエストは?
メロディーと歌詞について、それぞれいただいていました。メロディーでは「心に残るようなサビ」、そして「サビに向かって、ドキドキ感情が高まっていくような“来るぞ来るぞ感”がほしい」と。歌詞では心の内に秘めている、立場的に教師と生徒なので表に出せない“禁断感”を主に。それから、「好き」「愛している」という直接的な歌詞は使ってほしくないと言われました。ですので、歌詞全体を見た時に、「やっぱり好きなんだな」と感じてもらえる歌詞を心がけました。
きっとみんなが経験したことがある恋のはじまりというか、いつの間にかその人のことを目で追ってしまったり、気が付けばその人のことを考えていたりすること。それから難しかったのは、周囲から祝福してもらえない恋をしているということが分かっていて、自分にストップをかけている…という面を歌詞にすることですね。
――Uruさん自身の中で特に大切にした気持ちや言葉は?
自分の気持ちに気付くまでの間にどんなことが起こっているのかを分かりやすくしたかったので、主人公が見ている情景を描きました。1番に出てくる髪の毛や背中、微笑んだ横顔は、全て自分が見ている風景。恋をした主人公の中で起こっている変化を描きたかったんです。そんな中で一番入れたかったのは「行き場もなくて」という一言。誰にも言えず悶々としている、行き場のない感情は入れたいと思っていました。
――読者の中には「聖と晶、どちらの目線でも読める」という声もありましたが、そこは意識されていましたか?
いえ。それは意識していませんでしたが、2人とも同じ気持ちだったから、2人の真ん中にこの曲が存在しているように感じてもらえたんじゃないかな?と思います。
――こういったタイアップ曲を作る際に、大切にされていることは?
作品を制作されている皆さんと同じ思いやイメージを持つことです。ですから、例えば、原作が漫画や小説だった時は必ず読むようにしています。
――劇中ではたまらないタイミングで曲が流れてきましたけど、ご自身ではどうご覧になっていましたか?
最初は自分の曲が流れることにドキドキしていました。セリフや流していただく場面に歌詞のどの部分が当てはまるのかな? 場面に合っているかな?というのを心配して見ていたんです。でも、回を追うごとにドラマに熱中していったので、自分の曲が流れると「あっ!」ってなってました(笑)。いつも素敵なシーンで流していただけて本当にうれしく思っています。
――キスシーンでパッと曲が止まる演出もありましたよね!
息が止まりそうでした!(笑)
――Uruさんのお気に入りのシーンは?
やっぱりラストシーンと、あと第5話で晶が勝太郎(町田啓太)の車に乗った聖を追いかけていくシーンです。
――では、最後に視聴者の皆さまへメッセージを。
改めて、ドラマソング賞に選んでいただき、ありがとうございます。聖ちゃんと晶くんのように人を真っすぐ思うことの素晴らしさをこのドラマに教えていただいたので、「プロローグ」が心の中に思い人がいる方の心に寄り添える1曲になったらいいなと思っています。
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