進化を続ける天才棋士・藤井聡太!デビュー29連勝&最年少最速100勝達成に見る強さ

2019/02/19 16:53 配信

芸能一般

藤井聡太「第27期 銀河戦」

3月5日(火)に囲碁・将棋チャンネルでは、100勝目となる「第27期銀河戦」本戦Eブロック6回戦の放送に合わせ、「100勝記念 藤井聡太Day」と題して藤井聡太を大特集。藤井の対局や関連番組を朝から晩まで楽しむことができる。記念すべき100勝目となった銀河戦の対局の後には、100勝達成インタビューも。また、3月はファミリー劇場でも藤井のドキュメンタリーや29連勝目の対局のダイジェストが放送される。

今や将棋界を飛び越え、国民的スターとして注目を集める天才棋士・藤井聡太。2002年7月19日、愛知県瀬戸市で生まれた藤井は、5歳のころ祖父母から手ほどきを受けて将棋を覚えた。数ヶ月後には地元の将棋教室へ入会し、メキメキと力をつけていった。

小学1年生の時に「東海研修会」(将棋少年・少女の養成機関)に入り、3年生で小学生の全国大会の1つ「倉敷王将戦」低学年の部で優勝。4年生の夏には、「奨励会」(プロ棋士になるための養成機関)の試験を受けて6級で入会を果たす。年度末の「詰将棋解答選手権」ではトッププロも出場する中、10歳ながら5位に入って周囲を驚かせた。奨励会でも順調に昇級、昇段を重ねていくと、6年生の時には二段まで上がり、史上最年少12歳で詰将棋解答選手権を優勝。その後も出場し続けて2018年には前人未到の4連覇を達成し、最速の詰将棋解図能力を持つ棋士であることは誰もが認めるところとなった。

2016年10月、中学2年生の時(14歳2ヶ月)に"ひふみん"こと加藤一二三の持っていた史上最年少四段記録(14歳7ヶ月)を62年ぶりに更新してプロ入り。デビュー戦でその加藤に勝つと、そこから破竹の連勝を重ねる。デビューからの連勝記録「10」、さらに連勝記録「28」を、藤井はデビューから無敗の29連勝で更新。この時の世間の盛り上がりは"藤井フィーバー"とも呼ばれて社会現象に。ニュース番組で四段の棋士の対局が生中継されることは、それまでの将棋界ではとても考えられなかった。

藤井フィーバーのきっかけの1つとなったのは、ネット番組企画「炎の七番勝負」だ。プロ入り間もない藤井が抜てきされた企画だが、そうそうたるメンバーが相手。藤井の大敗も心配される中、第2戦の永瀬拓矢に負けたものの増田康宏、中村太地、斎藤慎太郎、深浦康市、佐藤康光、羽生善治に勝って6勝1敗と驚異的な結果を残した。結果もさるものながら内容も良く、藤井の強さを周囲が認めた瞬間だった。

29連勝でストップした後も破竹の勢いで白星を重ね、中学生で「第11回朝日杯将棋オープン戦」に優勝し、全棋士参加棋戦優勝の最年少記録を打ち立てる。朝日杯では準決勝で竜王の羽生との対戦となり、大きな話題を呼んだ。準々決勝で名人の佐藤天彦も破っており、将棋界の頂点である「竜王」と「名人」を倒しての優勝だった。

実質デビュー1年目となった2017年度は61勝12敗、勝率を8割3分6厘とし、記録部門四冠(対局数、勝数、勝率、連勝)を独占。四冠制覇はこれまで羽生、内藤国雄しか達成していない記録だ。現在の勝率も8割を大きく超え、タイトル戦への登場を待ちわびる声は日に日に大きくなっている。

2018年12月12日、囲碁将棋チャンネルが主催する「銀河戦」で2勝を上げる。その2勝目は、藤井にとって記念すべきプロ100勝目。通常、テレビ棋戦は放送まで結果が伏せられるが、節目の勝利ということで各種メディアに大きく取り上げられた。もちろん史上最年少の100勝目で、歴代最速、歴代最高勝率でもある。

2018年度は竜王戦ランキング戦での連続昇級によって、史上最年少で七段昇段。段位の関係で最後となる「新人王戦」でも優勝。さらに「第12回朝日杯将棋オープン戦」では、決勝で棋王の渡辺明を破って優勝し、連覇を果たした藤井聡太。国民的スターとなった天才棋士のさらなる進化を、これからも見守りたい。

文=渡部壮大

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