――主人公の鈴木陽子は絵に描いたような転落人生を歩んでいきますが、感情を持っていかれることはありましたか?
「つらい台本だな」って思いましたし、心が痛いんだけど、芝居では持っていかれませんでした。撮影が終わったらそれで終わりにしています。
――引きずるタイプではないんですか?
引きずったら死んじゃう(笑)。今まで演じてきた中でも、つらい役はたくさんありましたし、いつの間にか切り替え上手な役者になりました…特技です。
――台本を読んで、決して彼女は劣っている人間ではないと感じました。何かボタンの掛け違いで転落したんだと思います。陽子は何を間違ったんだと思いますか?
母親に弟と比較されたのがきっかけになったんでしょうね。親に責任があるのに、その責任を果たさなかったがために、弱者と呼ばれるようになってしまった。彼女の頑張った部分や頑張らなかった部分を認めてあげなかったから、この話は始まっているんだと思います。
――何か別の動きをすることで、どうにかなったのではないでしょうか? 陽子には“あの方法”しかなかったのでしょうか?
あれしかなかったんです。あの方法しか彼女は思いつかなかったし、信じようと思った人がそうではなかった。
――信じようと思った人である神代には、どんな印象をお持ちですか?
陽子を引き寄せるのがうまいなって思いました。今まで自分が掛けてもらえなかった言葉を掛けてきたり、信じている人に言われたい言葉をあの人が言ったり、本心かどうかは分からないけど「うまいなぁ」って。神代に会ったことが、ある意味幸せな気がした。近づいてきたのは別の目的だったのかもしれないけど、一瞬だけ「幸せだったのかな」って感じちゃったんですよね。
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