ハードディスクレコーダーが初めて発売されたのは平成12(2000)年の6月。ハードディスクを使う最大のメリットは、なんといっても大容量の記録が可能なこと。
DVDやブルーレイディスクは、記録した容量の再生が終わったらディスクを入れ替えなければならないが、ハードディスクは大容量なので、そのまま次の番組を再生することもできる。
また、そのころ日本では大きな出来事があった。地上波アナログ放送の終了だ。平成23(2011)年に東北3県を除いて地上波のアナログ放送が終了し、本格的にデジタル放送がスタート。
これを機に、DVDやブルーレイディスク、ハードディスクレコーダーや、それらが内蔵されたテレビが続々と発売された。
特に、三菱電機の「REAL」シリーズでは、ブルーレイディスクとハードディスクのどちらも搭載された「一体型」が2009年に発売され、話題となった。
こうしてデジタルメディアが浸透することで、ビデオやビデオテープの市場は縮小し、テレビデオもその役目を終えることになった。
最後に、現在のテレビ事情について見ていこう。
4Kや8Kなどに対応した、より高画質なテレビが多数発売されている現在。テレビも進化し、続々と新しい機能が追加されている。地上波デジタル放送や4K放送の実用化に伴い、テレビに映し出す映像もどんどん高画質化している。
必然的に録画する映像も大容量化することになり、大容量のハードディスクを搭載するレコーダーが求められる時代となった。
大容量のハードディスクを搭載したレコーダーも昨今では数多く販売されているが、ハードディスク内蔵型テレビの人気も強い。
録画機能を内蔵したテレビなら、かつてのテレビデオと同様、かなり省スペースになる。設置も簡単。地デジのアンテナをつないで、レコーダーとテレビの入出力をつないで…といった面倒な操作は不要だ。
大容量のハードディスクを使って長時間録画したり、複数の番組を同時録画したりすることも簡単にできるのも、録画機能をはじめから搭載しているからこその利便性といえよう。
一方で、ハードディスクとブルーレイレコーダーの両方を搭載した録画テレビは少なくなっているが、三菱電機の「REAL」シリーズでは、「一体型」を現在まで継承。テレビの視聴、番組の録画、ブルーレイディスクの再生やブルーレイディスクへのダビングまで、リモコン1つで操作が可能だ。
さらに「REAL」シリーズでは、万が一内蔵ハードディスクやブルーレイドライブが故障しても、部品交換修理が可能になっている。こうした整備性の部分も、着実に進化を遂げているのだ。
国産初の商業用テレビが発売されてから、もうすぐ70年の節目となる。日本が飛躍的に経済成長するなかで、テレビも時代に合わせて大きく進化してきた。
そして、テレビデオも、ビデオテープ、DVD、ブルーレイ、そしてハードディスクと、記録する媒体を変えつつも現代まで生き残ってきたのは、「この番組をもう一度見たい」という利用者のニーズが大きかったからだ。
現代に生き続ける唯一の録画一体型テレビ「REAL」。このシリーズが見せる、新しい未来に期待したい。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)