前作「Tree」から約4年。SEKAI NO OWARIが待望のニューアルバム『Eye』と『Lip』を、2月27日に2枚同時リリースした。『Eye』は彼らのダークな側面を描いた作品なのに対し、『Lip』はポップな面を凝縮した1枚。これまでさまざな楽曲を生み出してきたSEKAI NO OWARIだからこそ可能となったこの2作品について、メンバー4人にその誕生の経緯とレコーディング秘話、さらには4月からスタートする全国ツアーについてまで、たっぷりと語ってもらった。
――前作『Tree』から約4年ぶりのニューアルバムということで、まずはリーダーのNakajinさんから、4年という年月を要した理由を教えていただけますか。
Nakajin:『Tree』を出して以降、ツアーを3回やっていたのと同時に、この春にリリース予定の海外用のアルバム『Chameleon』の制作をずっとやっていたんです。『Chameleon』が終わったら日本のアルバムかなぁと思ってたんですけど、全然終わらなくて(笑)。それで昨年、気付いたら『Tree』から3年経っていたので、日本のアルバムも考えようってことで制作を開始したんですよね。
――今回『Eye』と『Lip』の2枚になったというのは、それまで作り溜めていた曲が1枚には収まらないという感じだったのでしょうか?
Nakajin:いえ、アルバムを作るとなった段階で、Fukaseの方から2枚作らない?という提案があったんです。
――Fukaseさんは、なぜ2枚にしようと?
Fukase:きっかけは、「RAIN」(『Lip』収録)と「スターゲイザー」(『Eye』収録)が同時に生まれたことでした。「RAIN」は映画「メアリと魔女の花」(2017年公開)の主題歌として書き下ろしたもので、自分たちとしても精度の高いJ-POPができたと自負してるんです。でも、その一方で「スターゲイザー」という曲ができたとき、僕らは「スターゲイザー」みたいな曲を歌うから、「RAIN」のような曲を歌う必要もあるし、その逆も然りだなと思って。ただ、この2曲は同じアルバムには入らないんじゃないかとも感じたんですよね。それが、アルバムを2枚作ることに繋がりました。
――Fukaseさんからの提案を、みなさんはどう受け止めましたか?
DJ LOVE:そう言われて、僕らも腑に落ちましたね。「RAIN」と「スターゲイザー」もそうだし、「サザンカ」(『Lip』収録)を録っているときに「Re:set」(『Eye』収録)を作ったりしていたので。
Saori:「RAIN」や「サザンカ」みたく、子供から大人までいろんな方が聴いてくださった曲がある一方で、「スターゲイザー」や「Re:set」みたいな曲も作ってきたわけですけど、私たちにとっては、どれも自分たちだし、どれも大切な曲で。だからこそ、1枚だと今の状態のSEKAI NO OWARIを表現しきれないと思ったので、今回は2枚のアルバム、計26曲で多面的に見てもらおうというプロジェクトだったと思います。
Nakajin:最初にそう聞いたときは、これは大変になるぞ〜って思ったけどね(笑)。
Fukase:14曲ぐらい足りなかったんだよね。
Nakajin:そうそう。なので、今回は曲作りとレコーディングを同時進行で進めていくことが多かったですね。
――最初に2枚出すことを決めて、それに『Eye』と『Lip』というタイトルを付けると決めたのはいつごろだったんですか?
Saori:アルバムを2枚にしましょうってなってから、すぐに付けたよね?
Fukase:うん。最初からこのタイトルを仮で付けてましたね。
――それぞれにどんな想いを込めたんですか?
Fukase:何か、“Eye”と“Lip”って、両方〝語るもの〟というか。一般的には、目の方が真実を語ると言われたりしますけど、僕はそれだけじゃないと思うんです。例えば、自信がないことでも口に出すことで、それが現実になり、真実になっていくこともたくさんあるし、目と口が語るものは必ずしも一致するものではなく、どっちが本当かどうかなんて、そのときどきによって変わると思うから。なので、僕たちが本当に語りたかったことは、この2つがあって、ようやく成立するんじゃないかと思ったんですよね。片方だけだと不完全というか。
Nakajin:これと全く同じ説明を僕たちもされました(笑)。
Fukase:でも、すごい忙しい時期に言ったせいか、最初はみんな「ふーん」みたいな感じで。あれ? ハズしたかなって思ったんですけど(笑)。
Saori:そんなことないよ(笑)。
Nakajin:それに、そうやって最初から二極化された2つのアルバムという器が用意されていたことは、アレンジを進めていく過程ですごくやりやすかったですね。特に『Eye』の方は、自分たちがやりたいことに振り切って作れたと思います。
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