――演じた高橋に共感するところはありましたか。
役者の仕事をしていると人と会う機会が多いので、いろいろな人からちょっとずつもらったもので今の僕の価値観や個性みたいなものが、形作られていると認識してるんですね。
でも、もしこの仕事をしていなくて、同じ会社に通い続けて、人との出会いも少ない中で生活していたら、僕もこういうスタイルで生きていたかもしれないな、とは思いました。
仕事があることは喜ばしいことで、働かなくてはいけなくて…という価値観に無意識に侵食されて生きていたかもしれません。
自分で選んだ仕事なので、今は楽しくやってますけど、そういう意味では高橋くんは「この仕事をしてなかった僕」かも知れないな、と感じました。
――ヒロイン役の飯豊まりえさんとの共演はいかがでしたか。
すごく明るくて面白い方で、飯豊さんみたいな方は新鮮でした。
初対面からあんなにしゃべったのは初めてでした。21歳の飯豊さんにすごくリードしてもらいました(笑)。
相手を探り探りとかじゃなくて、一気に心を開くというか、そういう向き合い方ってすてきだなって思いました。
――本作は華が愛するこけしがキーアイテムとなって、物語にたくさん絡んできます。岡山さんはこれまで、こけしに触れる機会ってありました?
高橋くんと同じでこれまで焦点を合わせたことのない対象ではあったんですけど、撮影で接してるうちにほしくなって、実際に2体買って、さらに劇中で使っていたのを2体頂き、今家にこけしが4体います(笑)。
1個1個手作りで、顔や模様も手書きなんですけど、そう考えるとリーズナブルな物だと思います。
豊かですよ、こけしがある生活っていうのは。
――本作は働き方がテーマですが、同じ業界で働いている憧れの先輩はどんな方ですか。
このドラマで高橋くんのお父さん役を演じている遠藤憲一さんとか、この間まで共演させていただいた光石研さんですとか、あれだけキャリアを積まれても精力的にお仕事をされて、かつ楽しんでらっしゃるのはすごくすてきだなと思います。
新鮮な発見を続けて、お仕事を楽しまれてるんでしょうね。大先輩に恐れ多いですけど。
なのでお二人には、長く活躍を続ける中で、どういう感覚でお仕事されてるのか聞いたりしました。
――岡山さん自身も今や出演作が切れ目なく続いていますが、お忙しくされてるのではないでしょうか。
周りに人がいてくれて、話を聞いてもらったりするので、そこに助けられてるって思いはあります。
高橋くんは周りに寄り添ってくれる人がなかなかいなくて、本心を吐き出すこともうまくできないのがつらいですね。
――ご自身の歩みを振り返ってみて、環境はかなり変わりましたか?
最初は仕事が来るなんてことなかったですし、オーディションに行っては落ちまくって、たまに仕事が決まってもカメラの前だと手も足も出ない、みたいなことの繰り返しだったので、そう考えるとようやくちょっと楽しめるようになってきたかなと。
それまではできないことしかなくて、正直キツさが100%だったので。
この仕事をしていると、いろいろな世界の格好いい人たちに出会えるのがいいですね。
今回はこけし職人の方だったりお弁当屋さんの方だったり、知らない世界に触れられて、面白い仕事だなと思います。
――岡山さんは、人と話すこと以外にどんなことで癒やしを手に入れていますか。
実家にネコがいて、母親がたまに送ってくれるネコの写真を見たりしています。
写真が届くと、その時ばかりは普段絶対に使わない絵文字とか使っちゃうぐらい浮かれます。
あと、好きなことが多いので、古着だったり漫画だったり散歩だったり、好きなことで心を満たしています。洋服を作っている友達がいるのですが、その友達から専門的な話を聞いたりするのは楽しいですね。
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