鈴木亮平が映画初主演!「等身大の役だけど、僕はこんなにイイ奴じゃない」

2010/11/10 11:09 配信

映画 インタビュー

映画「ふたたび SWING ME AGAIN」で、映画初主演を務める鈴木亮平

ドラマ「ヤンキー君とメガネちゃん」('10年、TBS系)、映画「シュアリー・サムデイ」('10年)などで活躍する鈴木亮平が、11月13日(土)から公開される映画「ふたたび SWING ME AGAIN」で、映画初主演を務める。

本作は、ハンセン病療養所から戻ってきた健三郎(財津一郎)が、“人生でやり残したこと”を実現させるため、孫と共にかつてのバンド仲間を探す旅へ出掛けるロードムービー。鈴木は、「死んだ」と聞かされていた祖父・健三郎と旅するうちに、家族や友とのきずなの大切さに気付いていく等身大の若者・大翔を演じる。鈴木に単独インタビューを行い、作品の魅力や苦労、今後について語ってもらった。

――今作で、映画初主演を務めますが。

「主演だからどうとかはあんまり気にならなかったですね。周りの出演者がベテランの人ばかりなので、僕が引っ張っていくというプレッシャーもなかったですし(笑)。監督が僕の芝居の先生だった塩屋俊監督だったので、いい感じでリラックスしてできました」

――作品の中では、トランペットを吹くシーンもありましたが?

「めちゃめちゃ、難しいっす! 音が出ないし、体力がいるんですよ。腹筋と口の周りの筋肉を使うので、ものすごい筋肉痛になるんですよ。あと、1つの指の組み合わせで、7つくらいの音が出るんですね。それは、息の強さと唇の形、息の出し方で変えるしかないんで、なかなか思った通りの音が出ないんです。こんなに難しい楽器はないんじゃないかと思うくらい大変でした」

――本作では“ジャズ”がストーリーの軸となりますが、ジャズの良さみたいなものは感じられましたか?

「トランペットって、1曲の旋律の中で、いかにアドリブを挟みながら、自分色に染めていくのかだと思うんですが、それが芝居と似ているなって思いました。芝居も台本のせりふを言うんだけど、違う人がやったら全然違う役になる。そこが芝居と同じで面白いなって思いましたね」

――役を演じるにあたり、気を付けたことは?

「今まで、等身大の若者をリアルに演じることがなかったので、うそをつかずに、自然体でやれるかなと。その延長で“家族感”を出したいなって思いました。家族ってつながっているからこそ、お互いに気を使わないし、ぶつかり合いもするし…。そういう“だらけ感”みたいなのを出すことは気を付けましたね。寝起きのシーンでは、直前まで寝てても(監督やスタッフから)何も言われないので、本気で『眠たいな~』って思いながら芝居ができましたし。そういう生理的なことも大事にしないとリアルじゃないですからね(笑)」

――演じた大翔と自身との共通点は?

「結構、似ているんですよね(笑)。というのも、役を自分に近付けさせてもらったんで、僕を知っている人が見ると『普段っぽいね』って言うと思んですよ。行動的なことで言えば、大翔ほど僕はイイ奴じゃない(笑)。彼のいいところは、例えばハンセン病にしても、知識がないまっさらだからこそ、素直に飛び込んでいける。これは、おじいちゃんからしたら気持ちいい部分でもあるんでしょうけど、僕は27歳なのでもうちょっと慎重になりますね」

――舞台である神戸は、鈴木さんの出身地と近いですよね?

「隣町なんですが、地元で仕事をするって変な感じがしましたね。普段は、東京で仕事をして、向こうには“素”になって帰るので…ちょっとふしぎな感じ。(劇中の)背景が知ってるものばっかりなんで、彼女とのドライブシーンとか、生々しいっていうか…(笑)」

――では、映画のキャッチフレーズでもある”人生でやり残したこと”“やらずには、死ねない”ことは何かありますか?

「なるべくたくさんの国に行きたい! 『龍馬伝』とか見ていると海外にすごい目を向けているじゃないですか。今、行ける環境にあって、鎖国している訳じゃないし(笑)、せっかく飛行機のある時代に生まれたので、いろんな国に行きたいし…宇宙にも行きたい。でも、恋愛も大事ですよね。人間は、(死ぬまでに)自分がいかに燃えられる本気の恋愛をいくつできるかじゃないですか!? 『この人を失ったら世界が終わる!』って思うような恋愛を、あと、3回くらいはしたいですね(笑)」

――今後は、どんなジャンルの作品を演じたいですか?

「『ふたたび―』のように、等身大の若者の役をうそ偽りなく、自由にカメラの前でのびのびやれるような役をやりたいですね。あと、リアリティーのない作品だと、最近、漫画原作のものとか多いじゃないですか? 僕、1つ、漫画原作でやりたいのがあって、『シティーハンター』が昔から好きなので、役者になったからには主人公の冴羽りょうを演じたい。できれば、30代に実現させたいなって思っています(笑)」