テーマは“脱・マンネリ”小籔千豊&すっちー、吉本新喜劇60周年ツアーに懸ける思いを吐露

2019/03/09 05:00 配信

芸能一般 インタビュー

「“すち省”も“小籔省”も連携して、風通しのいい内閣を目指します」(小籔)


小籔千豊&すっちーが、全国ツアーへの意気込みから“新喜劇の笑い”の作り方までを語り尽くす!


――お互いの公演を意識されていますか? 他の座長には負けたくない、といったライバル心は?

すっちー「川畑さんは僕とも小籔さんとも組むので、『小籔さんとはどんな感じですか?』っていうのは結構聞いてしまいますね。全部の公演を見るお客さんには、それぞれ違う味があると思っていただかないと駄目やと思うので、やっぱり気にはなります。ただ、小籔さんのところは大体こんな感じやなって分かったつもりでいても、川畑さんが『小籔の場合、そこからまたゼロになることもあるから』って言うんですよ(笑)。『できたと思ったら、「これ、いったんキープで」って言う時、あんねん』って。まぁ、そんな話をしながら、小籔さん、川畑さん、藍ちゃんと僕の4人で情報交換していこうかなという感じですね」

小籔千豊「ひとまずは、ネタのかぶりがないようにしようということですね。

基本的に僕は、この4座長は、新喜劇を面白くするため、大きくするために、力を合わせて仲良くするべきだと思っていて。まぁ普段、飯の食い方が汚いとか足が臭いとか、そういうところが嫌いっていうのは、あって当然なんですけど(笑)、だからと言って、口を利かないとか、情報を共有しないっていうのは絶対に駄目やと思うんです。誰がウケようが、誰が『あいつ、おもんない』って思われようが、それで新喜劇そのものが大きくなるんやったら全然いいんですよ。日本は今、あっちの省庁がイケてるのに、こっちの省庁が協力しない、みたいなことで国が傾いてきてるところがありますが、新喜劇は、すち省も小籔省もちゃんと連携して、風通しのいい内閣を目指さんと(笑)。日本をよくするというのが僕らの役割ですからね」

ともに吉本新喜劇の座長を務める小籔千豊とすっちー。「新喜劇を面白くするためには座長同士が力を合わせて仲良くするべき」とは小籔の弁


――小籔さんは常々、テレビタレントや俳優としての活動は、全て吉本新喜劇を世に広めるための広報活動のようなものだとおっしゃっていますよね。

小籔千豊「その通りです。新喜劇を大きくすることが僕の使命ですから」

──では、すっちーさんは、どういった思いで新喜劇に取り組まれているのでしょうか。

すっちー「東京とか全国のテレビで小籔さんが広報活動をやってくださっている分、実際に新喜劇を見に来てくれた方々をちゃんと楽しませることが、ほぼほぼ大阪にいる僕の役割なのかなって思ってます。『小籔が勧めるから見に来たけど、大したことないな』って思われたらアカンですからね。そういう意味では、今はとにかく面白い台本を作りたいです。そこは座長として今の一番の課題ですね。

実は僕、座長になる前、ちょっと悩んでいた時期がありまして。小籔さんからいろいろアドバイスを頂いたりもしていたんですけど、そんな時に、吉田ヒロさんのイベントで、(間)寛平師匠と(池乃)めだか師匠が、二人でいつものくだり(※寛平が猿、めだかが猫になりきってケンカするコント)をやりはったんですね。これがめちゃめちゃ長いんですよ。でも、めっちゃおもろいんですよ(笑)。寛平師匠なんか、暴れ回ってる間に何かが刺さったみたいで、太ももから血が出てるんです。お客さんは気付いてないけど、血だらけで猿になりきってる(笑)。そんなお二人を見てたら、『理屈は要らんな』って思えてきて。ぐずぐず悩んでないで、とにかくおもろいことをちゃんとやっていこうと。その時の思いは今もありますね」