田中れいな、息づかいにも心を乗せて… 「赤毛のアン」は“新しい自分”への扉

2019/03/13 07:00 配信

アイドル インタビュー

2019年のミュージカル「赤毛のアン」アン・シャーリー役に選ばれたモーニング娘。OGの田中れいな


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息づかいも歌の表現として届けたい


――ミュージカルであり、歌唱の部分で田中さんに掛かる期待は大きいと思います。一番頑張りたいと思うのもそこでしょうか?

歌は大好きだから頑張りたいのは当然ですけど、歌もお芝居も、1つだと思っています。歌だけど歌じゃない。お芝居の流れの歌だから、感情を乗せながら、歌とお芝居の区切りをいかに消して作っていくかを大事にしないと。「ふしぎ遊戯 -蒼ノ章-」もそういう感じのミュージカルでしたけど、「赤毛のアン」にはそれをもっと強く感じました。

――「ふしぎ遊戯」の1作目「朱ノ章」の時、ミュージカルのリズムがない(遅い)歌は苦手と話されていましたが、今はどうですか?

歌にもよりますけど、今はもう苦手意識はないですね。リズムがないならないで、感情をしっかり込めて歌えます。

ミュージカルって、息づかいまでマイクに乗ってくれるので、悲しく歌いたい時はため息交じりに息多めに、何かを告げようという歌は、わざと大きく吸い込んで。そういう“息”での感情表現も歌と一緒に届いてくれるのがすごく好きなんです。もっと喋っているように歌ってみようとか、そういう風に考えられるようになって、ミュージカルでは悲しい歌、静かな歌が結構好きになりました。

――息づかいまで考えて歌われてたんですね。今度から意識して聞いてみます。

「赤毛のアン」でも、そこは聞いてほしいところです。

「ため息交じりの時は息多めに。何かを告げる歌の時はわざと大きく吸って」。マイクに乗る息づかいの音まで計算して歌っている


――今まで色々な方がアンを演じられてきましたが、ご自身はどういうアンを演じていこうと考えていますか?

事細かい課題は台本が届いて、稽古が始まってから出てくると思いますけど、私は私なりの、「これが田中れいなのアン」という、元気で真っすぐなアンを演じたいと思います。伝え方が難しいんですけど、変に芝居のテクニックを考えず、純粋に、思うままの気持ちを表現できるように。自分が本当のアンになって演じていきたいです。台本が届くのが本当に待ち遠しいです。

――この「赤毛のアン」は、表現者の田中れいなとして、大きなステップアップになりそうですね。

そうなるように頑張らないと。すごく楽しみな反面、「どうなるんだろう?」というドキドキもたくさんあります。「これで平気かな」というレベルで終わらせず、「これなら絶対に大丈夫!!」と思えるまで稽古を積んで、アンになった姿をお見せするつもりです。見ていただいた方々にだけでなく、私自身「夏の公演、本当に良かったな」と振り返られるような結果を残したいです。

でもその前に、「悪ノ娘」(4月公演)、「信長の野望・大志」(5月公演)もあって、この2つも同じくらいの気持ちで臨まないと。舞台もライブも、昨年からたくさんのお仕事が決まっていて、今、絶好調だと自分で思ってて(笑)。頑張り甲斐がある、ずっと先の目標まで見えている状態なんです。

ファンの方にも、「田中れいな、そろそろ飽きてきたなー」と思われないように、「赤毛のアン」から先も、新しいことにどんどん踏み込んでいきたいです。

「2万人の鼓動TOURSミュージカル『赤毛のアン』」は、8月17日(土)~29日(木)、北海道(札幌)を皮切りに、東北(仙台)、関東(埼玉・大宮、東京・港区)、東海(名古屋)、近畿(大阪)、九州(福岡)、中国四国(広島)にて開催。全席無料招待制で、チケットが当たるオープンキャンペーンは4月より実施される予定。また、共にミュージカルを作り上げるキッズキャストのオーディションが全国で実施される。

【「今も昔もハロプロの曲が大好き!」田中れいな、上を見るからこその自己評価 へ続く。同記事は3月13日(水)昼5時アップ予定】

取材・文:鈴木康道