ミュージカル「赤毛のアン」でアン・シャーリー役を務めるモーニング娘。OG、田中れいなへのインタビュー後編。
【田中れいな、息づかいにも心を乗せて… 「赤毛のアン」は“新しい自分”への扉 より続く】
田中れいなの根本はシンガーであり、舞台、ミュージカルはライブでの表現力を広げるためにも続けたい仕事と常々話している。モーニング娘。を卒業してから7作に出演してきた中、本人は歌唱力、パフォーマンスレベルの向上をどのように実感しているのか。
歌い手だからこその興味深い話と共に、彼女の目線にあるハロプロ楽曲の面白さ、「眼鏡の男の子」で繋がったBEYOOOOONDSとのほっこりエピソードも聞くこともできた。
――1月、2月のソロライブ「れーな100%!vol.4アクロディーバ」は昨年、4つの舞台、ミュージカルを経験されてからものでした。表現力の向上は実感できましたか?
表現力とは違いますけど、ライブとは違う環境で歌ってきたことで、対応力は間違いなく身に付きました。私、歌いにくい苦手なフレーズが絶対にあって、そこをこなせない自分が本当に嫌になるんです。
ライブのたびにその壁にぶつかって、以前は「ここは仕方がないから他で補おう」って、ごまかしてる部分があったんですね。PA(音響)さんに歌いやすく調整してもらったり。でも、ミュージカルのPAさんは馴染みのPAさんではないから、なかなかフィットすることがないんです。「なんか違うなあ…」って。
そうなったら、自分の問題は自分で解決するしかないじゃないですか。どんなに歌いにくい環境でも歌いこなせる力を身に付けようと、息の出し方や喉の開け方を色々試してきたんです。
リハと本番では音の聞こえ方も全く違うんですよ。よく“音が吸われる”という言い方をするんですけど、お客さんが入ると、オケが急に小さく聞こえだしたり、声が大きくなってリズムが聞こえないとかの現象が起こるんです。昔だったらそれでパニックですよ。「無理無理! もう歌えん!!」って。それも環境の違うミュージカルで歌ってきたことで、冷静に対応できるようになりました。
――感情の込め方は変わりましたか?
変わりましたけど、感情面のことは「ふしぎ遊戯 -朱ノ章-」(2016年)の時にもう実感してます。ライブでどう歌おうか、それがポンポン思い浮かんできて、「ふしぎ遊戯」を終えた後のライブは本当に楽しかったですね。それから今までの間はテクニック的なことと、意識の変化が一番大きいです。
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