――劇場版を通して、6つ子たちの成長を感じましたか?
福山:誰一人、成長はしていないです(笑)。18歳の頃が描かれると聞いたとき、「おそ松はきっと変わっていないんだろうな」と思ったし、その予想通り全く変わっていなかったんですよ。でも、実際にそれを音で聞いたときに、ちょっと狂気を感じまして…。
クズでニートで一番のバカな彼が、あの状態のまま変わっていないんですよ、一番の狂人じゃないですか!?(笑) まず、どんな精神状態であの状態になるのか…。学生の間はまだいいですが、あの状態のまま今もそうだと考えると…おそ松はバカじゃなくて、狂人だったんじゃないかと思うようになりました(苦笑)。
――今回の劇場版には「俺たち いつから大人なの?」という素敵なキャッチフレーズがつけられていますが、福山さんはどんなときに大人になったと感じましたか?
福山:喋りたいなと思ったことや、切り込みたいなと思ったことの取捨選択を、ある程度できるようになったのが大人になったことかなと思います。若かりし頃は喋りたければ喋る、切り込みたければ切り込むということを無作為にやっていたので…。
特に、デビューして間もない新人の頃は、自分の台詞の3分の2を変えてみるという無茶なことをやって、先輩に「お前だけ違う台本もらっているだろ」とツッコまれたこともあります(笑)。それがちゃんとした理性の下、「面白いならやるけれど、全部やればいいってものじゃない」ということにようやく気が付きました。
――ちなみに気がついたのはいつ頃?
福山:30歳くらいですかね。…気がつくまで結構長かったな(笑)。恐らく関わったことのあるスタッフの方がこのインタビューを読んで、「あれで!?」と思うかもしれませんが、これでもちゃんと取捨選択しているんです(笑)。
業界の中ではこのように振る舞っておりますけれど、20歳の頃から大人びておりました。ただ、今は人間力の限界は感じましたね(苦笑)。今考えると、昔の方が大人だったかもしれません。だんだん子供になっています。
――子供時代はどんな子供でしたか?
福山:同い年から見れば「嫌なヤツ」、先生から見れば「不思議なヤツ」に映ったかもしれません。小学校・中学校・高校と、悪ガキでした。
悪ガキグループと遊ぶタイプでしたが、いわゆるヤンキーたちとは遊ばないし、悪いことも基本しないけれど、正しいことしかしないってわけでもない。高校では3年生で進路を決めた途端、学校に通う意味を見出せなくなって無茶な遊びをしましたね。
――一体どんな遊びを…?
福山:隣のクラスで授業を受けてみたり、登校はしているけれども、授業にでていない科目もあったりして、でも出席したことになっていたこともあるという事とか(笑)。1学期はちゃんと勉強してテストも受けるけれど、2学期からはテスト範囲を知らずにテストを受けたらどれだけ成績が下がるかという実験をしたりとか。
そういう自分の中での実験をたくさんやっちゃった高校生活でした。その結果、テストでミスって赤点になってしまい、卒業が延期になるという事もありました(苦笑)。卒業式には、「在校生として参加していいですか?」と先生に聞いてみたら、めちゃくちゃ怒られましたね(笑)。
【「えいがのおそ松さん」アフレコ現場は学級崩壊を起こした男子校!一松役・福山潤インタビュー後編 へと続く。同記事は3月15日(金)昼12時アップ予定】
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