菊池桃子、横田早紀江さん役に「実際は強いわけではない、普通のお母さん」

2019/03/16 17:10 配信

ドラマ

勝村政信コメント


横田滋さんは今も、拉致の前日にめぐみさんからプレゼントされたくしや、めぐみさんの写真を病室に置いているという(C)フジテレビ


――横田滋さん役のオファーを受けた感想は?

驚きました。ドラマ化されるのはもちろんですが、僕で大丈夫なのか、と。拉致事件は未解決ですし、横田さんご夫妻を日本中の人が知っていますから。

しかし、ドキュメンタリードラマは何度もお世話になっておりまして、作品一つ一つに縁を感じています。なので、ぜひやらせていただきたいと思いました。

――横田滋さんへの印象と演じてみて変化は?

ニュースでの知識しかありませんでしたが、滋さんたちが人生をかけて戦わなければいけない理不尽さを感じていました。

この作品で、滋さんの明るく知的な存在が、本当に皆さんを引っ張っていったということがよく分かりました。

もちろん拉致被害者の家族皆さんが同じ思いをされているのですが、滋さんは際立って強い方だと感じました。

――難しかった、悩んだシーンはありますか。

全部ですね。めぐみさんが拉致されるシーンは、演者だけではなく撮影スタッフも辛かったと思います。なぜ、めぐみさんだったのか? そして帰国された人たちも素直に喜べないという悲しい現実があります。どうしても泣くシーンが多くなってしまうし、事実がわかっているので、すべてのシーンが苦しかったです。

――滋さんを演じる上でこだわったことは?

余計なことをしないということですね。過剰なことはしない。現場では本当に菊池(桃子)さんの存在が大きくて。悲しい中にも凛としたたたずまいで、そこに光があるんです。

皆、真っ暗の中で手探りなのですが、菊池さんがいるだけで明るくなりました。菊池さんも大変だったでしょうけれど、キャストスタッフ全員が菊池さんに救っていただいたと思っています。

――読者にメッセージを。

80過ぎた親御さんたちの時間には限りがあります。今の若い人たちは拉致のことも、北朝鮮そのものをあまり理解していない人もいると思います。この番組を通じて“帰ってくるまで終わらない”戦いが続いていることを知っていただけたらと思います。

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