――実際に、演じられた感想をお願いします。
梶:役作りに関しては、原作を読んで、生い立ちや性格などくみ取っていくという、他の作品と同じ入り方です。本作ならではという点で考えれば、タイトルが「MIX」であるように投馬が置かれているのが家族関係、兄弟関係が、複雑な環境である、というところでしょうか。
でも、彼ら自身は、そんなに重くとらえている感じはないんですよね。もちろん心のどこか片隅ではいろいろと考える瞬間もあったと思うんですが。
投馬と走一郎は、実の兄弟だったらぶつかり合いそうなところも、“友達以上兄弟未満”といったような絶妙な関係性で、ほどよい距離感。だからこそバッテリーとしての息も合うのかなと思います。
投馬は、子供っぽいところもあればすごく落ち着いているところもある不思議な人。「あだち充感」を強く感じるキャラクターです(笑)。そういった部分も楽しみながら演じさせていただいています。
雄馬:走一郎は投馬に比べると、普段はちょっとクールに格好つけているんですが、感情的になる部分もあったり、音美に対して、ちょっと過保護な部分があったり、意外と子供っぽいところもあったりするんです。
逆に投馬は、もちろん自分の感情の高低とかありつつ、ちゃんとフラットにとらえて物事を見ているんです、それをニヤニヤしながら音美が見ている。兄弟のバランスっていうのがすごくいいんだろうなって思います。
真礼:音美という役柄で言うと、私も野球が大好きなので、野球を見ている目とかは、「似ているな」と、音美にすごく共感しています!
あだち充作品の独特の“間”の中で、どう芝居を組み立てようかなと考えながら演じています。普通のペースでせりふを読んじゃうと余っちゃうんです。間延びもさせてはいけないし、ただのんびりしているだけのキャラクターでもないし。
音美と投馬のやりとりもそうだし、野球観戦に行って音美が「うーん」ってイライラしちゃうところとか、でもそういうのも含めて与えられた時間の中でどういうふうなお芝居ができるかなっていうのは、楽しみです。しかも、2クールの時間を頂けているので、その中で徐々に、この“間”というのを吸収して、楽しみたいと思います。
――現場の雰囲気はどうですか?
梶:(内田姉弟が)アフレコ収録時、席が隣同士なんですよ。他に人はたくさんいるにもかかわらず、ほとんど姉弟で喋っている気がするので、本当に仲が良いんだなと(笑)。
雄馬:(姉のことは)現場に出たら一人の役者なので、意識していないですね。ただ逆に、むしろリアルな姉弟だからこそ出る雰囲気、本当の日常感というのはやっぱりあると思うんです。
今回は、兄と妹で実際とは反対の設定ですが、「MIX」の家庭環境的に、走一郎と音美は本当の兄妹、もう一人きょうだいは義理の兄弟という、3人の何とも言えないこの感じは、(梶、真礼、雄馬の3人の)リアルな感じへ近づく一歩というか。いい方向にいったらいいなと思います。
真礼:アフレコ現場に弟が一緒にいるので、きょうだいのやりとりの点で、すごく「分かる!」と思うこともありますね。音美という役柄を、すごくナチュラルな感じでお芝居できています。
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