――今回は、現代を生きる駆け出しのテレビディレクター・桜子と、日露戦争時代に看護師として働いていたゆいの二役ですね。
撮影は、ゆいのパートから始まり、ロシア人の方たちがクランクアップした後に桜子のシーンを行いました。
そこからまた1カ月くらい空いて、ロシアでのロケというスケジュールでした。いわゆる“時代もの”に出演するのは今回が初めて。
作品のテーマに重みを感じたので、日露戦争時代を生きた人たちの物語をしっかりと受け止めて演じたいなと思いました。
――それぞれのキャラクターの印象は?
一人二役ではあるんですけど、生きている時代が違うということもあって、女性像も全然違うんです。ゆいは、家のことや父を大切にする昔ながらの古風な人。
一方の桜子は私と同年代という設定なので、社会に出て活躍している強い女性のような活発なイメージがありました。
――日本人看護師のゆいと、ロシア将校であるソローキンの出会いは運命的。
時代ものではありますけど、そういうジャンルを飛び越えて、人と人が出会って恋に落ちていく物語。そのピュアな恋愛という部分と、戦争中に弟を亡くした痛みを抱える女性であるという部分の両立が演じていてとても難しかったです。
――ソローキンに引かれていくゆいの心情は理解できましたか?
ゆいにとって、弟の存在はすごく大きかったと思います。監督からも、ゆいが弟のことを大切に思っているということ丁寧に話していただいて。
そういう背景がある中で、もしかしたら弟が乗っていた船を沈めた相手の船に乗っていたかもしれない敵国のソローキンさんと恋に落ちてしまう矛盾。
このゆいの心情は、演じていても複雑だなと思いました。でも、戦争中だけではなくて、現代でもきっとこれに似た感情ってあるような気がします。ゆいが感じたことを私自身もきちんと受け止めながら演じたいと思いました。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)