地域により密着した、新しいリーグとして生まれ変わった2018‐19シーズンのバレーボールV.LEAGUE。10チームが初代王座を争ってきた男子V1リーグが、ついにファイナルステージに突入した。3月中に「ファイナル6」「ファイナル3」が、そして4月にはファイナルが行われ王者が決定する。
昨シーズン三冠(V1リーグ、天皇杯、黒鷲旗)を達成し、今季のV1レギュラーラウンドも1位で終えたパナソニックパンサーズ。そのパンサーズの中でファンを盛り上げる熱いプレーと甘いルックスで人気を誇る今村貴彦選手に、話を聞いた。
新生V.LEAGUEで大きく変わったのはホーム&アウェー制の導入。感じたことは?
「アウェーの時に相手サイドのホームでやるわけですけど、相手チームによってはファンにプレッシャーをかけられたりすることもありましたね。でもその雰囲気の中でプレーするのは、燃えますね(笑)。でもやはり、(ホーム&アウェーで)一番力が入るのは、ホームゲームですよね」
自身は激しいスタメン争いに挑んだシーズンでもあった。
「スタメンで出場したのが開幕の1試合だけで、それ以降はずっと控えでした。チームには同じポジションのオポジット(※1)で、(日本代表の)清水邦広選手と大竹壱青選手がいます。自チームに代表選手がいるということは、その選手より上手くなればスタメンの座が取れて、日本代表にも入れるということ。だから、常にその座を狙いながら練習しています。チームではスタメンに戻ること、そしてチームに貢献できればと思っています。オポジットは攻撃メインのポジションなので、チーム内競争を勝ち抜くために必要なのは、上がってきたトスを高い確率で決めていくことですね。苦しいボールも沢山上がってくるんですが、それをミスなく得点につなげられるようにしたいです。オポジットというポジションは、イケイケで挑んだほうが攻撃が決まりますし、前向きな気持をもつことが必要です。例えばシャット(※2)を食らっても、気持ちは負けないことが大事。思いきり攻めるのが役割だと思っています」
今季からホームタウンをいままで以上に重視するようになったV.LEAGUE。パンサーズのホームタウンは、大阪・枚方市。今村も練習後に、街に出ることがあるという。
「色々なお店が入っているT-SITEにチームメイトとよく行きますね。練習の合間とか、練習が終わった後によくコーヒーを飲みに行ってます。ファンの方に声を掛けられることもあって。やはり、地域の方に応援してもらえるのは嬉しいですね。休日となると、近くにコストコがあるので、ふらっと行って面白そうなものがあったら買ってみるとか。この前はミキサーに入れる冷凍のフルーツを買ってきて、自分でスムージーみたいなのを作って食べました。あとは、さらに足を伸ばして神戸市の温泉に行くこともありますね。同期や後輩に温泉好きのチームメイトが何人かいるので…。旅でいうと、オフになったら、毎年チームメイトや他チームにいる仲のいい選手達と1週間くらい沖縄に行っているので今年も行きたいですね」
チームは新生リーグの初代王者にむけて、いままさに、ファイナルステージの舞台を戦っている。今村は、これまでV.LEAGUEをあまり見ていない人にもファイナルをきっかけにぜひ見に来て欲しいと語る。
「ここからが本当の勝負だと思っています。選手同士でも『今までと同じモチベーションのままでは勝てない』と話し合っていますよ。ここからもう一段、二段ギアを上げて挑んでいくつもりです。個人としては練習でしっかりアピールをして監督に使ってもらえるようにすること。試合に出たら1球1球全力でプレーするだけですね。レギュラーラウンドを終えてファイナル6(※3)に出場するチームにはそれぞれに持ち点があります。各チームの持ち点を把握しながら見ると面白いですし、後半になればなるほど1球1球感情のこもった熱い試合になると思います。バレーボールは1人では得点ができないチームスポーツです。1つのボールに6人が必死に食らいついて得点を決める。その一連の流れの中に、色々なシーンやドラマがあるのでそこをぜひ見てほしいですね」
※1オポジット:バレーボールのポジションの一つで別名スーパーエース。セッター対角に位置し、守備には加わらず攻撃のみに専念する。
※2シャット:スパイクを真下に落とすシャットアウトブロック。
※3ファイナル6:レギュラーラウンド上位6チーム参加による総当たり戦。レギュラーラウンドの順位にポイントが付与され(1位:5点~6位:0点)、ファイナル6の試合で加算した合計ポイント上位1位がファイナルへ、2位と3位がファイナル3へ進出する。
【プロフィール】
いまむら・たかひこ●パナソニックパンサーズ所属のオポジット/アウトサイドヒッター。1993年5月20日生まれ、宮崎県延岡市出身。日向学院高、中央大学卒。各年代の年代別日本代表として活躍し、ユニバーシーアード競技大会(2017/台湾)では銅メダルを獲得した。ファンを盛り上げる熱いプレーが持ち味。
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