人気劇画家・五月女ケイ子と劇団・大人計画の脚本家・細川徹による初のアニメーションプロジェクト「バカ昔ばなし」が絵本とDVDとして発売されること決定した。11月13日には、都内でDVD版のプレスコ収録が行われ、本作の声優を務めた温水洋一、イラストを担当した五月女、脚本を担当した細川が取材に応じた。
本作は「桃太郎」や「浦島太郎」など日本人なら誰もが知っている昔話を、細川が“おバカ”にアレンジ。その物語を五月女の独特なイラストに乗せ、さらに、DVD版では温水洋一が声を全役担当するという“豪華コラボ作品”となっている。
細川が見どころについて「絶対に動かなそうな絵が動くところ」と話すように、五月女の独特のイラストがアニメーションになってどういった動きをするのかが一番の注目ポイントだろう。一方、五月女も「逆に楽しみです。正直、私も動くイメージができていないんですけど、昔話の世界観がのんびりしているので、力が抜けている人が“クラゲのように動く姿”をイメージしていただければ」と自身の作品の“変身”具合を楽しみにしていた。また、細川はお薦めの話に「テング殺人事件」を挙げ、「てんぐが殺されて、意地悪なじいさんや一寸法師らの容疑者の中から真犯人を捜していくという作品。昔話始まって以来のサスペンスです」と出来栄えに自ら太鼓判を押した。“続編やシリーズ化の可能性は?”という質問に細川は「ネタがいっぱいあるのでいくらでもできると思います。世界(の童話など)でもできるので。世界版の時も、声は温水さんで王子様やお姫様をやってもらいたいと思います(笑)」とさらなる展開に期待を持たせた。
11作品で30役以上の声を1人で演じるという“大役”を務めた温水は、「何役もあったので苦労はしましたが、楽しんでできたかなと思います」とまさに“一人舞台”の収録を振り返った。収録では度重なる細川の“要求”に対応するのが大変だったようで、「(指示が出てすぐに)練習なしで、キューサインが出るので、ぶっつけ本番での収録もありました」と苦労も多かった様子。中でも、特に苦労したのがてんぐの声だという。「見たことがないので…。『ドラえもん』でいうと、スネオみたいな意地悪そうな声をイメージしました」とのこと。おじいさん、おばあさんからてんぐなど架空の生き物まで多種多彩な役を演じ切った温水の“七色の声”にも注目してほしい。
最後に温水は「皆さんが知っているような昔話がいかに“バカ”になっているか、楽しめる作品になっています。子供に一番見てほしいです。(作品を見て)想像を膨らまして“楽しい大人”になってほしいですね」と“未来の大人たち”へ向け、期待を込めてメッセージを送った。
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