青木真也×AbemaTV北野P、格闘技界の今を語る「ようやくスタートラインに立った」<格闘チャンネルSP対談>

2019/03/27 20:30 配信

バラエティー

青木真也撮影=後藤利江


――そんな中、31日(日)には青木さんが主戦場とする「ONE Championship」が、いよいよ日本で初開催されます。

青木「はい。僕自身、去年、ONEの日本大会を2月か3月にやるという話を聞いてから、格闘代理戦争もそうだし、自分の試合もそうですけど、3月31日を終着駅と考えてやってきましたからね」

――「ONE Championship」という団体の見所はどういうところになるんでしょうか? 円形のケージで闘うんですよね?

青木「そこは面白くて、円形のケージだけじゃなく、リングでやるときもあるんですよ」

北野「ノンポリですよね。グローブでやるときもあれば、オープンフィンガーでやるときもあるし。キックボクシングもやれば、ボクシングの世界戦もやりますもんね」

青木「そうそう。スタートアップっぽいんですよ。とにかくトライ&エラーがすごい。そこが僕は、世の中的に後押しされるところなんじゃないかなと思うんですよね。なんでもやる感というか、面白そうだと思ったことは、まずやってみようかみたいな。参戦している選手はアジア、アメリカ、ロシア、ブラジルもいるんですけど、やっぱり東南アジアの選手が多いという点がひとつの特色ですね。今回の日本大会は円形のケージだと思うんですけど、その中で総合格闘技もキックボクシングもあるんで」

北野「アジアの企業(ONEのオフィスはシンガポール)という点も今っぽい感じですよね。ビジネスの世界からすると。シンガポールは今、ちょっとした格闘技ブームになっているので、アジアの流行が日本にやってくるという捉え方もできるかもしれません」

青木真也、AbemaTV北野プロデューサー撮影=後藤利江


――青木さんは、AbemaTVの密着ドキュメント『ONE DAY』の中でも「アメリカで闘うよりもアジアで闘うことを選んだ」と発言されていましたが、ONEを主戦場に選んだ理由はどういうところにあったんですか?

青木「いちばんは、『日本人がアメリカ行ってもいいように扱われないでしょ?』っていう当たり前のことに、僕は早い段階で気付いてたんですよ(笑)。UFCにしたって、結局、アメリカ人が作っているものなので、いいマッチアップにならないんですよね。大事にされないし、ブラジル市場が強いから。僕も何試合かアメリカでやりましたけど、ああ、これは(青木の)負けを期待して呼ばれてるんだなっていうのを、すごく感じたんです。だから僕は、日本人選手は国内でやるのが幸せなんじゃないかと思っていたところで、国内(の活動の場)が1回なくなったんですよ。それと同時に、僕はONEの旗揚げから、今と同じシンガポールのジムに所属していたので、ONEに出場するジムメイトの試合を観ていて『あ、ここだったら居場所が作れるんじゃないか』と思ったのが、最初の動機ですね」

青木真也、AbemaTV北野プロデューサー撮影=後藤利江


北野「日本のアスリートは皆『強さ』を宗教みたいに信じるけど、やっぱり行った先でどんなふうに扱われるかで、強い選手であってもどんな結果を出せるか変わるはずですからね。それを思えば、マーケティングやプロモーションに力を入れてくれて、いいマッチアップを組んでくれるところで試合したほうが職場としていいですよね。同じ能力の人間でも職場によって輝き方は変わると思うし、そういう意味で、青木さんはビジネスマンじゃないけど、自分の職場を真剣に探してますよね」

青木「僕はUFCに行けるときに行かなかったんですよね、何度かオファーもいただいたんですけど。『なんでオマエ行かないんだよ?』って、毎回、非国民かのように扱われてましたけど(苦笑)、『え、みんな、ちゃんとその辺わかってる?』って毎回思ってたんで」