――卓偉さんが携わってきた中で、印象的なメンバーはいましたか?
田中れいな、歌上手ですね。橋本愛奈、鈴木愛理も。(宮本)佳林ちゃん、かなとも(金澤朋子)ちゃん、さゆき(高木紗友希)ちゃん、るる(段原瑠々)ちゃん、この4人は歌の上手いJuice=Juiceの中でも特にパンチがありますね。そう思うと、Bitter&Sweetの田崎あさひ、長谷川萌美もそうですけど、今回参加してもらった子というのは、普段から僕が「この子の声いいな、歌いいな」と思っていた子たちだってことですね。
――田中れいなさんと鈴木愛理さん。当時ハロプロの2大エースと呼ばれた2人ですが、卓偉さんから見た2人の歌の違いはどういうところにありますか?
2人とも器用ですよ。その曲をどのビートで歌ったらいいのかをすぐに理解できるタイプで。違いは声質じゃないですか(笑)。2人とも、歌に対する自分のピントをしっかり持っていますね。自分はどういう風に歌えば説得できるのか、それを芯に持っている。
古い例えになりますけど、れいなが(中森)明菜で、愛理が(松田)聖子ちゃんみたいな違いです。れいなにはいい意味で影とか暗さ、そういう艶が似合いますね。愛理ちゃんはパキッと明るい方が似合う。れいなはマイナー調の曲が好きで、曲へのオーダーもそうなんですよ(笑)。自分を発揮できるカラーを知ってるんですよね。
――個人的にですが、鈴木さんは癖のない王道な上手さで聴かせてくれて、田中さんは癖が強い分、そこがすごく魅力的です。
愛理ちゃんはそうですね。喉を開いた、癖のないというのは一番いい言い方でしょうね。れいなは声が抜けるんですよ。マイク乗りがとにかくいい声です。ピッチもいいし、リズム感も抜群ですね。
――ハロー!プロジェクトで、今後提供してみたいグループはありますか?
僕の方では特になくて、とにかく曲を書くこと自体が好きなので、シングル用でなくても、イベント用にでも書かせていただけるならそれは光栄なことです。この間も「May Days For You」から10年経ったということで、真野ちゃんに「かけがえのないあなたへ」という曲を書き下ろさせてもらってますし。ハロー!に限らず、自分のセンスを買ってくれる人がいるのであれば、男性、女性を問わず提供させていただきたいです。
――今回のセルフカバーは、今後ご自分のライブでも歌われる予定ですか?
もちろん。これは自分の作品で、イレギュラーで出したわけではないですから。5月19日(日)、横浜ランドマークホールのライブでは、このアルバムの全曲をプレイします。
――もちろんバンド構成で?
そうです。このアルバムを手に取って、気に入ったという方、生で聴いてみたいと思ってくれた方は、ぜひライブに来てみてください。
文・撮影:鈴木康道
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