――モーニング娘。では工藤遥さんが女優になるために卒業し、飯窪春菜さんも女優業をスタートさせて。石田亜佑美さんも演技に意欲を見せています。そういう後輩を見てどう感じますか?
モーニング娘。で活動してきたことで、自分の将来やりたいことを見つけられたというのはすごくいいことだと思います。私なんか1つに絞れない人間だから、女優になりたいと言い切れるのは本当にすごいです。舞台のお仕事もあったとはいえ、歌とダンスのモーニング娘。だったのに、それを止めて女優一本って、私には無理ですね。
――工藤さんは17歳という早さでの決断でしたしね。
私が永遠の10代だったら、一生モーニング娘。にいます(笑)。私の夢は芸能人でなくて、モーニング娘。になることだったから。そういう自分と比べたら、工藤たちは格好良いですね。モーニング娘。にいるときに新しい夢を選んで進んでいくことがすごく格好良く見えるし、頑張ってほしいと思います。
これ、役者さんに失礼に聞こえたら申し訳ないんですが、私はお芝居の道だけに進みたいという気持ちはなくて、やっぱり歌もやりたいんですね。なんて言ったらいいのかな…。
私はステージに立つのが大好きなんです。ライブだけでなく、舞台もミュージカルも。女優、歌手という区別なく、お客さんに見られる仕事、人を元気にさせる仕事をしたいんです。だから、工藤や飯窪みたいに「女優になります」と格好良く言えない理由がこれです。定まってないんですよ、自分の中で。
――それでも「悪ノ娘」をはじめ、演技の評価は高いです。歌手であることも含め、後輩たちにとって、どういう先輩でありたいと思っていますか?
自分をそういう風に考えたことがないんですけど、ずっと忘れられない先輩でいたいですね。私も先輩に憧れてモーニング娘。になりましたけど、先輩たちのほとんどはママやタレントになって、ステージの活動をメインではされていないんですよね。
私も女性としてママには憧れますけど、ステージには立ち続けたい。後輩たちが私のことを検索したときに、そんな姿の“なう”の田中れいなが出てくるような、忘れられない先輩でいたいですね。
――「悪ノ娘」はまさに“なう”の機会ですね。最後に、上演に向けての言葉をお願いします。
初演を見て今回の再演も、という方は多いと思うんです。DVDを見返してから来てくださる方も。自然と初演の記憶と重なると思うので、そういう方は、初演との違いを楽しんでほしいです。私は初演を超えるつもりで稽古をしてますし、キャストが変わったことでの新しさもたくさんあります。
新しい作品になるように全員で頑張っているし、今回が初めてという方には、見にきて良かったと言っていただける作品を届けたいと思います。
文・撮影:鈴木康道
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