――バイオリニストのNAOTOさんとTEAM NACSの出会いは15年前だそうですね。
TEAM NACSは2004年から北海道以外にも展開していますが、その際には“できるだけ北海道時代のスタッフのままでやらせてほしい”と希望していました。ただ2005年の公演「COMPOSER」は、ベートーベンやモーツァルトが登場するバロック時代の物語です。その知識があり、なおかつ我々のことをわかってくれる人材を東京の事務所が探してくれた結果、ポルノグラフィティのバックでバイオリンを弾いていたNAOTOさんと引き合わせてくれました。この出会いが、とても大きくて。
「COMPOSER」は既存のクラシック曲を使いましたが、次の公演、「HONOR」(2007年)で制作チームを組む時点で、僕から“NAOTOさんとやりたい”とラブコールをかけたんです。今も本公演を作るときは、NAOTOさんにはメンバーより先にプロットを伝えています。そこからイメージしてNAOTOさんが曲に仕上げ、私もまた曲にインスパイアされて物語の方向性が変わっていく、なんてこともありました。お互いに高め合える関係ですね。
――この公演でのお薦め&注目ポイントを教えてください。
“演劇にとって音楽はものすごい力を持っている”ということを、まずは伝えたいです。NAOTOさんは本当にすごい人なんです! 稽古の最中、私の演出で動くメンバーを見ても“これはイケているのか?”と不安になりますが、音楽がついた瞬間に“いいわ〜!”となるんですよ(笑)。
私が音楽に依存しているタイプの演出家だけに、公演で使われる音楽はそれだけ大きな力を持っていますし、NAOTOさんの見ている世界がそのままTEAM NACSの一面を担っています。音楽監督ながら、音楽以外のところでも大きな影響を我々に与えてくれるんです。この人の偉大さを紹介したいし、邪魔もしたい(笑)。そして彼のユーモラスなところも知らしめたいんですよね。見どころという意味では、NAOTOという人間そのものかもしれません。
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