森崎博之の“北海道”と“TEAM NACS”への愛「重たいでしょ(笑)」

2019/03/30 06:00 配信

芸能一般

TEAM NACSとオーケストラによるフィルムコンサート「NACSYMPHONEY2019『COLOR~彩り続けた楽曲たちの調べ』」が5月に開催される。フィルムコンサートで取り上げるのは、TEAM NACS本公演「LOOSER」(2004年)から最新作「PARAMUSHIR」(2018)までの楽曲と舞台映像だという。フィルムコンサートにゲスト出演するTEAM NACSのリーダー・森崎博之に、自身が演出した3作品のことや、結成して23年となったTEAM NACSへの思いを聞いた。

TEAM NACSの存在は「宝物や家族というか…、自分を形成する上でなくせないものですね」撮影=玉井美世子


“待ってました!”の歓声に思わず…


――まずは、初めての東京進出公演となった「LOOSER」について教えてください。

新撰組と長州藩の確執を軸にした作品ですが、実は私、歴史が本当に苦手で…。そこを逆手に取って、歴史の苦手な人が作る時代劇にしようと考えました。そうすれば、見る人を選ばないんじゃないかと。手始めにマンガ『日本の歴史』で勉強したことを覚えています。初めての東京公演は、肩肘貼らずにやろうという裏テーマがありました。

ところが北海道で経験のなかった “待ってました!”の大きな拍手でお客さんが迎え入れてくれて、思わず棒になりましたね(笑)。実は北海道のお客さんって、なかなか笑ってくれないんですよ。特に男性は、自分もそうなんですけど、周りが笑わないと安心して笑えない。“どうやったら笑ってもらえるか”を考え抜いて鍛えられたおかげで、多くのお客さんに笑っていただけるようになりました。本当にうれしかったし、北海道には感謝ですね。

――2007年の「HONOR~守り続けた痛みと共に」は、架空の村にスポットを当てた郷愁ファンタジーでしたね。

東京進出をしたはいいが、北海道から来た劇団のイメージがないということで“ふるさと公演”と銘打ちました。2時間で北海道をどう表現するかを考えて、大きな白樺の木が立つシンプルなセットにしています。演劇はイマジネーションの世界でもあるので、足りないところはお客さんが脳内で補完してくれますから。「HONOR」で初めてNAOTOさんにオリジナル曲を作ってもらいましたが、バイオリンの音色が素晴らしかった。この曲をシンフォニーで聴けるのは、とても楽しみです。しかもツアーで訪れる会場は、クラシックを聴くのにぴったりなところばかり。素晴らしいものになるのではないでしょうか。