森崎博之の“北海道”と“TEAM NACS”への愛「重たいでしょ(笑)」

2019/03/30 06:00 配信

芸能一般

『「PARAMUSHIR-」は人生をかけて向き合った作品』と話してくれた森崎博之撮影=玉井美世子


――そして、「WARRIOR~唄い続ける侍ロマン」は2012年に披露された5人の戦国武将の物語でした。

2011年に東日本大震災が起きて、日本全土が悲しみに包まれました。私自身、被災された人に対して何もできることがないと、うなだれる日々が続いたんです。でも次々と“うつむいていちゃダメだ、みんなでやっていこうよ!”と声を上げる人が出てきて、私もようやく首を上げることができました。そこで考えたのが、翌年の舞台で何を作るか。途中までできていたプロットを捨て、日本を作る戦国時代の物語に変えました。飢饉の多い時代で“自分がこの国を救うんだ”という思いが、日本を築いたのではないかと。ただ、何しろ私は“豊臣家康”だと思っていたくらいの歴史オンチです(笑)。

またもやマンガ『日本の偉人』シリーズから初めて、調べに調べてイメージを膨らませました。最初に音楽の力を借りたくて、オープニングでは3分の曲とスタッフロールが流れます。“NAOTOさんの曲を聴いてください” という時間から始まる公演でしたね。その舞台を見に来てくれた、誰かの首を上げることができたと信じています。

人生をかけて向き合った作品


――2018年の「PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて」についてはいかがですか?

1945年、第二次世界大戦の終戦直後、実はもう一つの戦いが北海道では起こっていました。でもそれを、我々は知らなかったんです。北海道に住みながら、この話を知らないのはどうなのか。北海道が最後に日本を守ったことをエンターテイメントに仕上げて、後世に残したい。許されるなら、TEAM NACSがその役割を担いたい。わはは、ね。思いが強いでしょ、重たいでしょ(笑)。

人生をかけて向き合った作品です。このプロットを、NAOTOさんに何時間かけて説明したことか!(笑) 脚本の林(民夫)先生や舞台監督の堀尾(幸男)先生には、NAOTOさんが作ってくれた曲を流してプレゼンしました。NAOTOさんの音楽はそれくらい大切で、自分の表現に欠かせない存在です。