白黒テレビに続いて誕生したのがカラーテレビだ。1960(昭和35)年、アメリカ、キューバに続いて、日本は世界で3番目にカラーテレビの放送を開始している。だが実際にはNHKでも1日1時間程度しかカラー放送ができなかった。
また、カラーテレビは当時の価格で約50万円と非常に高価であり、放送局も少なかったため、カラーテレビの普及は遅れていた。
しかし、1964(昭和39)年を境にカラーテレビは急速に普及することになる。東京で行われた世界的なスポーツの祭典がカラー放送されたことで、各メーカーもカラーテレビを宣伝するようになり、徐々に視聴者にも浸透し始めていったのだ。
その後1970(昭和45)年に大阪で開催された万国博覧会が、さらに普及を加速させた。特に会場からの生中継が人気となり、カラーテレビのブームが到来したのだ。
1971(昭和46)年にNHK(総合)全放送時間が完全カラー放送になったことや、カラーテレビの低価格化も進んだことから、1972(昭和47)年にはカラーの受信契約数が白黒テレビの契約数を初めて上回った。
このように、昭和に起こった白黒からカラーへの転換は、国民的な大イベントが後押ししていたのだ。
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