もちろん本筋のストーリーも引き込まれるものがあった。本作のテーマは「ネット犯罪」という非常に現代的なものが題材となっている。
作中では、犯人が「人間爆弾椅子」という元犯罪者たちを爆弾のついた椅子に括り付けて、ネット上で不特定多数の人間に投票させることで、その元犯罪者を裁くか裁かないかを決めさせるという恐ろしいことをし始める。
始めのうちはみんな戸惑っていたが、匿名で誰が投票かしたかもわからない仕組みと分かると1票、また1票と増えていくのだ。
現実に、SNS上で犯罪行為を動画投稿し、炎上する事件が頻繁に起こる昨今。匿名のネット上ならなにをやっても許されるという、間違った認識を持った人たちが増えた「ネット社会の闇」のようなものが反映されたようなストーリーに、思わず考えさせられる場面も多々あった。
第2夜では、ロボットを使った最先端の医療技術がサイバー犯罪によって簡単に乗っ取られてしまい、どうすることもできずに右往左往する人物たちが描かれる。
最近でも、大規模なネットワーク障害で多くの人たちが全く何もできなくなってしまうという「ネット社会の脆弱性」が垣間見えた出来事があったが、そんな現代社会の課題ともいえるテーマも散見されたのが印象的であった。
そんな「名探偵・明智小五郎」は、伊藤にインタビューを実施した際に作品を一言で表すと「究極のエンターテインメント」と称していた意味が、改めて分かった気がした2作品であった。
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