福山翔大×山本涼介、初共演も息ピッタリ「オーディションの時点でピーンときた」

――初共演ということで、互いの印象や魅力的なところ、ここは直してほしいところがあれば教えてください。

福山翔大：お互い、あまり人に対して壁を作るタイプではないので、すぐに打ち解けられたよね。

山本涼介：うん。翔大くんは本当に真っすぐというか、熱い人だなってすごく感じます。そこが本当に魅力ですね。

福山：僕、お芝居が好きな人間が好きなので、山本くんのそこに一番ほれました。そこは役のJK＆JK(海江田丈＆香月丞)にも似てるし、そういう役をそういう感覚で山本くんと演じられて良かったと思います。

山本：感覚が似ているんですよ。今回絡むシーンは少ないんですけど、それだけに2人の関係性が大切で、そろうシーンはこうしようとか、作品についていろいろ2人で話し合って…一緒にやれて、楽しかったですね。

福山：そこは丈の変化を描くシーンでもあるんですけど、やりながらお互いの感情がどんどん変わっていって、本当に気持ち良かったです。山本くんの魅力的なところはいっぱいあるんですけど…分かりやすいところで言うと、スタイルがいい。良過ぎる！　そこは直してほしいというか、分けてほしい！(笑)

山本：(笑)。基本的に波長が合うから、直してほしいところが全然ないんです。たぶん全部受け入れられるんじゃないかと思います。

福山：実はオーディションの時点でこの2人の組み合わせで芝居をやったんですよ。「迎えに来たよ」の場面だったんですけど、僕はもうその時にピーンと来ちゃったっていうか、“そういうふう”に見えたんですよ、山本くんが。だから、彼が決まるのかなってどこかで薄っすらと予感があったのを覚えてます。

山本：僕も！　僕も「翔大君だろうな」って思いながらやっていました(笑顔でうなずき合う)。

――演じる役について、それぞれの印象と役作りのアプローチはいかがでしたか？

福山：丈は、生まれも育ちもお金持ちで、エリート街道を走ってきたタイプ。そこらへんは僕の感覚とは違うけど、結構人に対して不器用なところがあって…僕も壁は作らないけど、うまく伝えられない瞬間っていうのはいっぱいあって、そのたびにもっと何かいい言葉あったなとか後で考えちゃうんです。

丈も不器用ながら人のことを考えるタイプだと思うので、役作りとしてイチから何かを積み上げるというより、自分の持っている悔しさや不器用さ、抱えている何かを、自分の中から引っ張って作っていった感じです。

山本：僕も普段は自分の中から「これ使えるな」という要素を探して組み立てることが多いんですけど、今回の丞に関しては、全くなかったですね(笑)。こんなにがっつりメークしたのは初めてですし、自分じゃないみたいな感覚でした。

監督に「MIYAVIさんを意識してほしい」と言われたので、MIYAVIさんを中心にいろんなロックバンドのライブ映像を見て研究して、ロックの“居方”みたいなものを意識して自分のものにして出していきました。

あとはもう、わが道を行くってことを徹底して、自信を持って「俺はJKだ、スターだ！」って思いながら…。

福山：やっぱり、気分良かった？(笑)

山本：いいですね！　車に乗るにもドアを開けない。ゴツい黒人のSPが開けてくれるので…。人の上に立ってる感がありました。逆に言うと、なかなか友達にはなりにくい、何か上からな感じです(笑)。

福山：僕も丈みたいに左ハンドルのランボルギーニ乗ってくるやつ、嫌です(笑)。だけどその分、演じていてすごく面白かったです。

台本読んだときは「何だろう、この不思議な人間は」って思うんですが、演じてみると、結局挫折した1人の人間であると分かるというか…たぶんその感覚って皆さんお持ちだと思うんですけど、そういうときの行動はやっぱ人間みんな同じなんですよね。

ただちょっと丈は目立つランボルギーニに乗ってやたらと使えるお金があるってだけで(笑)。だから、丈という人間が“冷たい”やつではなく、“ある温もりを閉ざしちゃった”やつに見えたらいいなと思いながら演じました。