――物語の中での孝蔵の役割を、どんなふうに捉えていますか?
古今亭志ん生は、きっと本当に凄惨な人生を送っていたんだと思うんです。
でも、この「いだてん」という作品の中では、孝蔵のパートを本当にリアルに凄惨に描いてしまうのではなく、孝蔵の存在が物語のアクセントになっている瞬間もあるので、ちょっとポップにしておいた方がいいのかなと、監督陣と話していました。
宮藤さんはもともと志ん生が大好きなんですよね。エピソードが豊富な人でもあるので、使いたいタイミングで、物語のフックに使ってる感じがするんです。
だから、繊細に人物像を積み上げていくというよりも、それぞれのシーンでどれだけハネられる存在になれるかということのほうが大事な気がしていますね。
――第14回では、円喬の元から孝蔵が旅立つシーンが描かれますが、松尾さんとの共演ではどのように感じましたか?
松尾さんを前にすると緊張しますね。素晴らしい作家さんでもあり、演出家でもあり、役者さんだと僕は思っているので、本当に師匠としてそこにいるように感じます。
松尾さんって、高圧的な印象はないんですけど、何を考えてるのか分からないから何を出したらいいか分からないみたいな感じがちょっとあるじゃないですか。
そら恐ろしいところが彼の中には常にあるので、その近寄りがたさみたいなものは、円喬と孝蔵の関係を演じる上ではよかったと思います。
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