多部未華子30歳、節目の年に語った「演じる事」への思い

2019/04/12 10:00 配信

映画

見詰め合う多十郎(高良)とおとよ(多部)。おとよの思いは届くのか(C)「多十郎殉愛記」製作委員会


幕末を舞台にした本作。多部にとってドラマ「大奥〜誕生[有功・家光篇]」(2012年、TBS系)以来の時代劇は、特有の難しさや苦労もあった。

「やはり所作は難しかったです。ですから、いつも京都の撮影所に行くときは勉強させてくださいアピールで行くようにしています(笑)。どんな時に襟をなぞって、悔しい時にどこを持つのか。監督からは手に表情を付けることをアドバイスしていただきました。町娘らしい雑な座り方や、男が名残惜しくなるような振り返り方など、たくさん勉強させていただきました」

共演した、おとよが密かに想いを寄せる多十郎役の高良健吾、大志を抱いて京へ上ってきた多十郎の弟・数馬役の木村了はともに同世代。緊迫した内容とは裏腹に、撮影現場はとても穏やかだったそう。

「脚本を読んだ時に高良さんは多十郎役にぴったりだと思いました。そんな役なので撮影に入る前は、もっと朴訥としているイメージだったのですが、“昨日何食べた?”など気さくに話しかけてくださって。よくコミュニケーションをとってくださるし、イメージが違いました。木村さんは同じ年ですが、フランクな方で。大事なシーンではとても集中されていましたが、木村さんも割とよく話す方で楽しい現場でしたね」

本作は、ラスト30分の壮絶なちゃんばらシーンがハイライトとなる。平成元年生まれの多部にとってはちゃんばら文化自体が新鮮に映った。

「ちゃんばらという言葉自体を知っている若い世代の方が少なくなっている気がします。私でギリギリかもしれません。小さい頃にちゃんばらをして遊ぶって、今はなかなかないですよね。私の兄でもやっていなかったですし。だからこそ、最近の映画にはない作風で、すごく新鮮に見ていただけると思います」