開催国がカタールの首都・ドーハで大会初の中東開催と伺って、なかなか選手も思い浮かばず、走り高跳びのムタ・エッサ・バーシム選手がやっと出てきたくらいのイメージです。しかも相当暑いと伺っています。
いつもは8月に開催している大会が9月になったので「ちょっとは涼しいか?」というと、そうでもないようです。さらに、番組のスローガンが“史上最も熱い戦い”ですから、どうしても“暑さ”と“熱さ”からは逃れられず、灼熱の地から熱戦の模様をお伝えすることになります。東京オリンピックも真夏に開催されるということで、「暑さの中でも強い選手は誰か?」というところを見据えての大会が、見どころの一つだと思います。
注目は、前回の「世界陸上」で引退したウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)より年上で、その大会の男子100mで1位を取った37歳のジャスティン・ガトリン選手(アメリカ)が、まだ走り続けているところです。また、(ガトリン選手の)ほとんど半分ぐらいの年齢のクリスチャン・コールマン選手(アメリカ)や、アンドレ・ドグラス選手(カナダ)に加えて、さらに「えっ?」と驚くアメリカの新星が現れているというので、ガトリン選手などのベテランだけでなく、新人もキッチリ取材しにいきたいと思っています。
そして、なんといっても楽しみなのが、日本の男子短距離陣です。男子100mで、日本国内では負けなしの山縣亮太選手、日本人初の9秒台をマークした桐生祥秀選手をはじめ、前回の世界陸上で200mファイナリストのサニブラウン・ハキーム選手は、昨年ケガで1年間棒に振ってしまっただけに、今年はどんな姿を見せてくれるのか本当に楽しみです。
他にも多田修平選手など、日本人選手層が今までになかったぐらい充実している状況にゾクゾクしている中で、今年は横浜で開催される「世界リレー」も中井さんと担当させていただくことになりました。アメリカ、イギリス、ジャマイカ、カナダの他にも強い国がたくさんある中で、日本が本気で3位以内を狙えそうだなって思える瞬間が22年目にしてようやく来たという気がしています。
東京オリンピック新種目の男女混合4×400mリレーでは、どんなドリームチームが現れるのかも楽しみです。横浜開催ですので、眠くならないゴールデンタイムにお伝えします。チームジャパンの歴史的瞬間を、LIVEで皆さんと一緒に楽しみたいと思います。
織田さんとは1997年から22年間、12大会目ということになります。これまで大阪、ベルリン、韓国・テグ、モスクワ、北京、ロンドンと、世界各地からずっとご一緒させていただいています。番組スタッフも新しい方が入って来られますが、ほとんど変わらない顔ぶれで2年に1度お会いしているので、お互いイイ感じで年を取っている気がします(笑)。
そういう意味では、私たちがこの番組を始めたころに生まれた方が、すでに陸上界の第一線で活躍なさっていますので、負けないように新鮮な気持ちで頑張りたいと思います。
また、マラソンの高橋尚子さんや、短距離の朝原宣治さんといった、今まで私たちが選手としてお伝えしてきた方が、押しも押されもせぬ解説者になられて、一緒に放送をお伝えする側となったことで一体感が生まれ、ご覧いただく方にも感じていただけるようなチームワークの良さをお伝えできたらいいなと思います。
さらに今年は、横浜で開催される「世界リレー」も織田さんとお伝えできることになりました。日本が「世界陸上」の前回大会で史上初の銅メダルに輝いただけに、その上を目指してもらいたいという期待と、今まさに世界で活躍している注目選手を一気に見ることができる機会が持てたことがうれしいですし、東京オリンピックの新種目となる男女混合の4×400mリレーも見ることができるリレー種目限定の世界一決定戦を、現地から2夜連続ゴールデンタイムにお届けしますので、番組をご覧いただく皆さんと一緒に盛り上がっていきたいと思っています。
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