原作の魂をそのまま受け継いだ脚本に、キャスト陣も奮起した。「王騎役の大沢たかおさんは、半年以上かけて15キロほど体重を増やされていて、極太の腕はCGでも特殊メイクでもなく、ご自分の筋肉で作り上げたもの。王騎としてのオーラや説得力がすごかったです」(森さん)
主人公・信を演じた山崎の熱量も相当なものだった。森さんは言う。「信が『漂の命を何だと思ってる』と政につめよるシーン。政としてその言葉を受ける吉沢さんは、感情をあそこまで出す芝居をするつもりはなかったそうなんですが、山崎さん演じる信を見ていたら、ノッてきて、思わず感情を出してしまったとか。
お互いがお互いに刺激を受け、よりよい演技が引き出されて生まれた、名シーンがたくさんあります。キャスト全員が『キングダム』への熱い思いを持って、役に本気で取り組まれていること。日本映画の枠を超えた壮大なスケールの映像とアクション、奴隷の少年が『大将軍になる』という、夢に向かってひたむきに突き進むストーリー展開……。映画化不可能といわれた原作に挑んだ、プロデューサー、監督、スタッフの力ももちろん大きいです。
原作を知っていても知らなくても、誰もが楽しめる、エンターテインメントの要素にあふれていると思います」
脚本へのゆるぎない信頼が、スタッフ・キャスト一人ひとりの情熱を最大限まで引き出した。
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