12月6日(月)にWOWOWで放送される「ノンフィクションW」で、'83年に同じドラマで奇しくも同時デビューを飾った渡辺謙と遠藤憲一の対談が実現した。場所は風情ある都内のソバ店。遠藤が渡辺のキャリアをひも解く形で、役者としての本音を聞き出していく。
遠藤「NHKの『壬生の恋歌』がボクと渡辺さんのテレビデビューでしたよね」
渡辺「うん、そうだったね。あのころは二人ともギラギラしてて、まるで野良犬みたいだったよなぁ」
遠藤「…ボクは初めての現場で、誰とも話せなくて。もう不安で仕方なかったですよ」
渡辺「誰とも話せなかった? そりゃそうだよ! だって(顔が)相当恐かったから、誰も話しかけられないよ(笑)」
遠藤「いつごろから世界でやって行こうって思い始めたんですか?」
渡辺「そういう感覚はいまだにないんだよね。現場にはカナダ人やイギリス人もいるし、ハリウッドっていろんな人たちの集合体なんだよ。価値観や表現方法が違う人たちが寄ってたかって映画を作っている場所だから、自分としてはただ、間口がポーンと広がっただけって思っている」
遠藤「外国の監督との仕事はどうですか?」
渡辺「(演技の)幅が10倍くらいに広がったね。台本をどう表現するかのルールなんてない。現場で感じたこと、考えたことを抑圧せずに全部出すだけなんだ」
遠藤「監督もそれを期待して待っていてくれるんですか?」
渡辺「待つね。しかも、いったん褒めた後、すぐ『もう一回』って。ほかにもっとできるだろうと思ってくれている。表現に対してすごく貪欲なんだね」
遠藤「アメリカにいる時、ソバ食べたくなったらどうするんですか?」
渡辺「基本的には自分でゆでる。たぶん1週間に3回か4回、食べるよ」
遠藤「本当に好きなんですね」
渡辺「うん。でもめずらしいよね。こんないい店来たのに酒も飲まずに話するなんて」
遠藤「酒飲んじゃうとね」
渡辺「グズグズになっちゃうから(笑)」
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