瑛太&生田斗真のあの作品も! 映画アドバイザー・ミヤザキタケルが厳選した今月初放送映画3作品<ザテレビジョン シネマ部>

2019/05/01 17:00 配信

映画

『オーシャンズ8』(C) Warner Bros. Entertainment Inc.


文=ミヤザキタケル


 


長野県出身。1986年生まれ。映画アドバイザーとして、映画サイトへの寄稿・ラジオ・web番組・イベントなどに多数出演。『GO』『ファイト・クラブ』『男はつらいよ』とウディ・アレン作品がバイブル。

今月のWOWOW初放送映画 厳選3作品


映画アドバイザーのミヤザキタケルが、各月の初放送作品の中から見逃してほしくないオススメの3作品をピックアップしてご紹介! これを読めばあなたのWOWOWライフがより一層充実したものになること間違いなし!のはず...。

『オーシャンズ8』('18)


『オーシャンズ8』 (C) Warner Bros. Entertainment Inc.


ジョージ・クルーニーをはじめとした豪華キャストで人気を博し、3作にわたってシリーズ展開された『オーシャンズ11』('01)の女性版リブート作品。時系列的には『オーシャンズ13』('07)から続く物語になってはいますが、サンドラ・ブロック演じる主人公が前シリーズの主人公ダニー・オーシャンの妹であること以外、物語に大きな繋がりはありません。つまり、過去3作を観ていなくても本作は楽しめる。むしろ、主要キャストが8人と少なくなった分、各登場人物の人となりを描く時間が増えているため、ひとりひとりのキャラクターに愛着を抱きやすい。そして、ファッションの祭典、メットガラで繰り広げられる大犯罪劇が、アナ・ウィンターらゴージャスなカメオ出演陣と共に実際のメトロポリタン美術館で撮影されている点も要チェック!

ハッカーやスリ師、盗品ディーラー、ファッションデザイナー、ジュエリー職人などを仲間に引き入れ、総額1億5000万ドルのカルティエのダイヤモンド・ネックレスを狙う新生オーシャンズの面々。どんな逆境をもはねのけていく彼女たちの外見の華やかさや怒濤の展開に目を奪われ気に留める人も少ないと思うが、やっていることはあくまでも犯罪行為。見方によっては、まるで犯罪が悪いことではないかのように描かれていると感じてしまうかもしれない。そこを突っ込むのはナンセンスな気もするが、犯罪劇を軸に描きながらも、本作では人として大切なこともしっかりと描いていたように思う。

悪いことをしたのなら、当然報いを受けなければならない。やったらやり返されるし、やり返したのなら再びやり返される。人と異なる道へ進めば、それ相応のリスクが付きまとう。表立って描かれているわけではないが、物語の要所要所で人や社会の在り方が示されていく。たとえそれが法を犯す道であったとしても、持ち前の犯罪スキルを駆使して突き進んでいく新生オーシャンズ。一度歩みを止めて多くを清算しない限り、彼女たちに平穏な日々が訪れることはまずない。映画的にはその方が面白いし観ていて楽しいが、僕たち自身の人生に当てはめたのなら、何が本当に大事なことなのか答えは自ずと見えてくる。純粋にエンタメ作品として楽しむのもアリ、物語の根底に宿る部分をかみ締めながら観るのもアリ、どんな角度から触れても楽しめる作品です。本作を機に、ぜひ過去の3作にも触れてみてください。

関連番組