人気漫画を原作に、「舟を編む」(2013年)の石井裕也が監督を務めた映画「町田くんの世界」(6月7日・金公開)。岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀ら豪華キャストが顔をそろえる中、主人公の町田くんを誰が演じるのか話題を集めていたが、そこに起用されたのは異例ともいえるほぼ演技経験ゼロの新人。1000人を超えるオーディションを経て主役に抜擢された現役高校生・細田佳央太の素顔に迫る。
――最初に町田くん役に決まったと聞いたときはどう思いましたか?
とにかくうれしかったです。オーディションで選んでいただいたのもそうですけど、映画初主演ということで、全部含めてうれしかったです。でも、逆にそれが自分の中でプレッシャーになったりもしました。
――町田くんは勉強も運動も苦手で、容量も悪く、得意なものが見当たらないけれど、人を愛する才能だけではずば抜けているキャラクター。すぐにこの役を理解することはできましたか?
最初はわけが分からなかったです。自分とは似ているところが何一つなかったので(笑)。でも、撮影の前に1か月間ほど特訓をしていただき、そのときに石井監督が「町田くんは優しくて、全世界の人を家族だと思っている。でも、こんな子はほぼいない。だから、町田くんは神様みたいなものなんだ」という言葉を僕に投げてくださって。そこからは“町田くん=優しい=神様”という共通認識ができたので、そこを芯において役に入ることができたと思います。
――確かに、町田くんは常識的に考えると、ちょっと怖いぐらい人に優しい青年ですね。
と同時に、町田くんは真っすぐで一生懸命なんですよね。分からないことに対して逃げ出さず、真っすぐに向かっていく姿はすごくステキだなと思います。一生懸命とはこういうことなんだと町田くんから教わった気がします。
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