――いよいよ映画が完成しましたね。作品をご覧になった印象はいかがですか?
まずは無事に完成を迎えたことをうれしく思います。奈緒は磐音さまを“待っている”ということで、実際に松坂さんとご一緒させていただいたシーンは少なかったのですが、完成した作品を見て自分がこの世界に入れているということを実感しました。
それに磐音さまがいろいろな所で「奈緒」という名前を発してくれているのを見て、とてもうれしかったです。
――とてもつらい立場になる役どころですが、演じる上で心掛けたことはどの辺りでしょうか?
とにかく「ひたすら磐音さまを一途に思い続ける」ということを第一に考えていました。
常に磐音さまのことを思いながら、大切に1シーン1シーンやらせてもらったという印象です。
――奈緒は言葉遣いがとてもキレイですよね。
やはり時代劇ということで、言葉遣いに関してはキレイにしようと強く意識しました。それに磐音さまが本当にすてきな方なので、ああいうすてきな方が好きになる女性、というのはどんな方なのかなということも考えて、役を作っていきました。常に“磐音さまの横にいる女性”ということを意識しています。
――奈緒の一途な部分は共感されますか?
私はそこまで一途に誰かを想った経験がないから分からないのですが、ああやって待ち続ける女性について特別違和感を覚えなかったので、自分も気持ちが分かるんだろうなと思いました。
――3年間別れる前の回想シーンで「24歳から27歳までの磐音さまを知ることができない」というせりふが特に印象的でした。
この時代ならではのことですよね。松坂さんも取材で仰っていたのですが、“運命”ということを強く意識させられるシーンでした。
今でこそ、離れ離れになったとしてもいろんな連絡手段がありますし、会おうと思えば会う手段はいくらでもありますが、この時代は一度離れたら戻るまでそう簡単には会えない。
でも、そこには時代劇ならではの温かさや悲哀があって、何でも便利になることが、必ずしもいいことばかりでもないのかなと思いました。
――確かに今なら日帰りで往復できる距離ですよね(笑)。地方ロケはどうでしたか?
私は京都や彦根で撮影しましたが、とても楽しかったです。京都は撮影所でロケをすることができてうれしかったですし、緊張しました。それに京都で初めて車折(くるまざき)神社に行ってきました。
こういうふうに京都で撮影するタイミングに行けたらいいなと思っていたので、その夢もかなってうれしかったです。
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