若き“いぶし銀俳優”毎熊克哉、水谷豊監督の辣腕に「あれは、まさに神業」

2019/05/17 09:00 配信

映画 インタビュー

毎熊克哉がインタビューに応じた


――まず、最初に脚本を読んだ感想は?

これまで出演した作品の台本とは全然違って、独特のタッチで書かれている点が印象的でした。キャラクターの心情が分かるようなことが細かく書かれていたんです。

その分、文字数が多いから台本自体も結構分厚かったですね。でも、あっという間に読み終わったという記憶があります。

――轢き逃げしてしまった若者の心理描写も細かく書かれていたんですね。

最初に轢き逃げ事件を起こしてから、ずっとあの2人が「大丈夫」って自分に言い聞かせながら普段通りの生活をしているところがものすごく嫌な感じで。

自分が演じる役とか関係なく読んでいると、絶対バレる、絶対バレるっていうドキドキ感がずっと続いていって、そこからまた新たな登場人物が出てきたりすると新しい視点がどんどん増えてくるんです。

小説でも章が変わると違う人物の視点で描かれたりすることがあるじゃないですか。今回の台本も、まさにそんな感じだから、楽しく読めたんじゃないかなと思います。

――登場人物の心情はト書きのような感じで表現されているんですか?

ト書きではあるんですけど“ここでこう動いた”とか。“ここに何があった”というものにプラスアルファする感じで“こういう風に思ったのかもしれない”って書いてあったりするんです。

――そういう心情が書かれていることでお芝居に変化が?

その時の心情は分かりやすいけど、難しそうだなと感じることも。本来だったら、まずは自分で考えて、現場の状況次第で変わったら、それに対応しながら演じることが多いんです。

でも、台本にどうすればいいのか、どう思っているのかが書かれているので、ありがたい反面怖いなと感じることもありました。

――現場で監督に聞いたりすることはあったんですか?

聞くことはなかったです。うまく言えないですけど…聞いたら負けみたいなところもあって(笑)。

他の現場とかで「ここって、こうなんですかね」なんて聞いたら「自分で考えろ!」って言われたりすることもあるじゃないですか。だから、本当に分からないこと以外は今回の現場に限らず極力聞かないようにしています。

――自分で考えることが大事なんですね。

監督が段取りをやる時にどんなふうに撮ろうとしているのかを、集中しながら察知することが大事。分からないことを聞くというより、自分でこういうことなんだろうなって想像しながら演じています。

関連人物