――今回、撮影に入る前にどのような準備をされたのでしょうか?
実際の自衛官の皆さんにお話をうかがいました。空自と海自の両方の方々にうかがわせていただき、その気質の違いみたなものを肌で感じられたのは大きかったですね。あと、秋津は“いぶき”の艦長になる前は空自のエースパイロットだったので、優秀なパイロットの条件なども教えていただきました。
――その条件とはどういったものなのでしょうか?
パイロットは戦闘機のコックピットに一人でいるので、その瞬間、瞬間の判断を自分でしないといけないんですね。なので、長く考えてベストな判断を下すよりも、瞬間的にベターな判断を下せる人間の方がパイロットとしては優秀なんだそうです。それは秋津のキャラクターに色濃く反映されていると思います。
――とても緊迫感のあるストーリーが展開されますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
ものすごく緊張感がありました。普通、映画の撮影ではワンカットを撮ったら、次の準備があるので、役者は一旦、セットの外に出たりします。でも、今回はずっと薄暗いセットの中にいて、スタジオの外に出ることを許されませんでした。あれはきっとわざとだと思いますが、実際に戦闘状態の艦内にいるような緊迫感が常に漂っていました。
――“いぶき”のCIC(戦闘指揮所)のセットもそうですが、艦内でのやりとりなどにとてもリアリティーを感じました。
実際のCICは戦闘中でもとても静かなんだそうです。それは指示が聞こえないといけないからなんですが、この映画の中でも静かな中で戦闘が進んでいくのは、すごくリアルだなと思いました。あと、誰かが足を引っ張ったりだとか、バカな行動をして戦局が悪化するということがなく、非常に優秀で状況判断に優れた人たちが戦争を回避するために全力を尽くしている姿もリアルなところだったと思います。
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