蜷川実花さんの作品で、主演は小栗旬さんと聞いた時点で、迷いは全くなく、そのような作品に自分も参加できることがうれしかったです。僕が演じた太宰の担当編集者・佐倉潤一は、太宰の嫌な部分をたくさん見ていて、さまざまな問題に巻き込まれるのですが、何よりもまず学生時代からの太宰の大ファンで敬意が前提にあるということを大切に演じました。驚くほど映像がきれいで、どのシーンもすごく印象的で鮮明に残っています。どんな作品になるのか誰も想像できないから、完成した作品を見るのが本当に楽しみです。
沢尻さんの弟役は実は2回目なのですが、映画としては初めてで、光栄な時間でした。薫はある意味堅物だと思いますが、常に姉のことを思っている。それを根底にもって演じました。蜷川監督作品は、お客さんとしてファンだったので、自分が出演させていたきすごくうれしいですし、もっとこの世界観に浸っていたかったです。蜷川監督が描く太宰の人物像、末路がとても気になります。完成が楽しみです。
僕は太宰の友人・伊馬春部という役を演じました。2人は本当に仲が良かったそうなので、距離感の近さを表現したかったのですが、初共演の小栗さんに非常に優しく接していただいて、楽しく演じることができました。また、伊馬が北九州出身ということで、僕も福岡で生まれ育ったので、福岡弁をやらせてもらっています。とても大切な印象に残るシーンになったと思います。
三島由紀夫さんの本には個人的にも影響を受けているので、プレッシャーはもちろんありましたが、演じられて光栄でした。今回自分が演じた三島は、21歳の学生の頃なので、みんなが持っている三島像とは差をつけたいという思いで探りながら演じていました。蜷川監督の三島への思い、演出も非常に的確で分かりやすく、若い時に鍛えていただいた小栗さんとの共演も、緊張感がありつつも本当に楽しかったです。
蜷川監督とは「Diner ダイナー」でもご一緒させていただきましたが、小栗くん主演の本作に出演できるということは、非常に光栄でうれしかったです。坂口安吾という重要な役どころをいただき、実際に太宰と安吾が通っていたバー“ルパン”での撮影はまるでタイムスリップしたようにすごくすてきな空間で、大変貴重な経験をさせていただきました。
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